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カテゴリ:教育
世の中には、だれもが騙されてしまうものと、バカな人しか騙されないものとがある。 母がまだ若かったころ、市場で人だかりがしていていってみると、何が入っているかわからない箱を1000円で売っていたという。いいものがはいっているかもしれないが、もしかしたらタワシしかはいっていないかもしれない。 集まった者たちがふんぎりがつかないで迷っていると、「勇気ある」男が現れて1000円を差し出した。男がみなの前で箱を開けると、その何倍もの価値のある品物が入っていた。それなら、私もと欲を出した者が地団太踏んで悔しがったのは言うまでもない。 次の日にはもう二度と同じ場所に姿を現すことはない。 言わずと知れたサクラなど、世の中のどこにでもいる。 通訳ガイド試験に合格すると、某英語学校から電話がかかってきて、うちの受講生だったということにしてくださいと言われる。ガイド試験に合格するには、その学校を出るしかないのではと思わせるほど、合格者数で他を圧倒しているのにはそういうカラクリがある。 ぼくはいつも、ウソはいけないがハッタリはいいと言っている。この○ロ○学院の手口なんかは明らかにハッタリの域を越えている。 「ばくは今まで女房にウソをついたことはいっさいない」と断言した弁護士がいて、なんと大それたことを言う弁護士だと思ったら、「でも、打ち明けていないことはたくさんあります」と来た。なるほど、ウソとハッタリの違いはそういうところにある。 今では伝説になっている現代ギリシア語の話も、「現代ギリシア語できますか」と訊かれて「できません」と言えばそれで仕事はこないし、「できます」と言えばウソになる。そういうときには質問には答えず「どれくらいの分量で、いつまでにやればいいですか」と切り返す。「質問に正確に答えてください」などと野暮なことを言う人はいない。 それでクライアントに喜んでもらえる仕事をしたからには、だれからも責められる筋合いはない。 ××の分野やったことありますかと訊かれれば、似たようなものならやったことがありますと答える。ただし、そういうことが言えるのは、それなりのものを納品する自信があってのことである。 合格者数130人。 この数字を水増しだとして取り上げたテレビがある。 もともと合格者数などは延べ人数に決まっているんで、これを進学者数と書いたとすればウソになるけれども、合格者数であるかぎり、ハッタリにすらならない。いっそのこと、一人で70校に合格した者を20人くらい揃えて、延べ合格者数1500人と堂々と発表すればいい。 実際の合格者数は30人程度であったというが、進学する高校を選ぶにあたって、判断を誤る人間がいるだろうか。何が入っているかわからない箱を騙されて1000円で買ってしまう人でも、130人という数字だけでわが子をその学校にやれば、それだけで思い通りの大学に進学させてくれるだろうなんて幻想を抱きはしまい。 言ってみれば、そんな子どもだましのカラクリを針小棒大に取り上げ、大騒ぎしているマスコミや大阪市とはいったい何なのだろう ←ランキングに登録しています。何かちょっとでも得るものがあったと思われたら、ぜひクリックをお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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