心の傷
深夜。高速に乗って、また、日常へ。2時、到着。子どもたちを抱きかかえて寝室へ。眠れない大人たちは録画しておいた番組の鑑賞を。俗好きな夫の連続ドラマに付き合った後、私の好きな番組へ。私はそうやって世俗を知り、夫はそうやって堅苦しい番組に目を通し。案外、私たちはうまくいっていると思う。見た番組は、『戦場 心の傷 ママはイラクへ行った』。イラクへ派遣された母親兵士が帰還後、心のバランスを崩し、我が子を愛することができずに心を痛めている、というもの。母親がまたイラクへ派遣されることに「どうしてママが行かなければならないの」と、涙ながらに訴える我が子に、一般論を理論的に他人行儀に説明することしかできない姿。ふざけて石を投げている1歳の我が子に真剣に止めようと怒っている姿。どれもこれも、私の姿に重なるような気がして仕方がなかった。特に、イラク派遣から帰還して以来、イラクでの出来事がフラッシュバックされてしまって家族で外出できなくなってしまった母親が久しぶりに外出した際、子どもが何かある度に母親の様子を気にかけて、何度も何度も振り返って顔色をうかがっている映像は胸が締め付けられる思いがした。が、残念なことに、番組は終始、そういった事実を羅列しているだけで、では、どうしてイラクに行ったら、そういった心境になってしまうのか、というところには言及していない。よって、どうして、戦場に行っていない自分と、戦場に行った彼女たちに、共通の何かがあるのか、というところが分からなかったことは残念だった。戦場に行ったという経験と、障がい児を授かったという経験と、何か共通する点でもあるというのだろうか。