貴婦人と一角獣(前篇)
貴婦人と一角獣(前篇) 昨日まで東京六本木の国立新美術館で開催されていた「貴婦人と一角獣展」を終了間際に観てきた(写真)。 この絵「貴婦人と一角獣」の簡単な解説をする。 フランス国立クリュニー中世美術館に所蔵されている謎の巨大タペストリー(織物)6枚組のことである。 かの有名なジョルジュ・サンドが紹介して一躍脚光を浴びた15世紀の作品である。 だが、おいらは、タペストリーを高くは評価していないのである。芸術性が高いとはいえ、所詮、織物である。 それに、この絵はNYに住んでいたときにコロンビアにあるメトロポリタン・ミュージアム別館で観たことがある。だから、おいらにとって今更と云う気が強かったのである。 ただ、この奇妙な絵のことは良く覚えていた。何せ、巨大なタペストリーが複数枚、部屋を埋め尽くしているのである。それに空想上の動物、ユニコーンである。宗教的な色合いが強く、観る者を圧倒させる力が秀でていた。 ところが、である。 調べてみると、この貴婦人と一角獣は門外不出であり、今回の貸し出しは二回目でしかない。一回目のときがメトロポリタン・ミュージアムへの貸し出しかと思ったら違っていたのである。 おいらがみた一角獣は、下の写真である(メトロポリタン・ミュージアムで買った絵葉書をそのまま掲載)。 確かに違う。 世の中には似たようなタペストリーがあるものじゃのぅ。 そこで、今回来日した貴婦人と一角獣に俄然興味が湧いてきたのである(この項続く)。**************************************************謎の不良老年 柚木惇 Presents**************************************************