カテゴリ:チェンマイの日常
義父(ヨメっこの父)の8日間にわたる葬儀ドキュメントのつづき。
初日は日曜日ということもあり、かなりの数の弔問客にお越しいただきましたが、2日目から6日目までは平日なので、特に昼間は近所のおばちゃんたちが来るぐらい。それでも食事とかお茶菓子はたとえ余っても十分な数を用意しとく必要があるんで、日々の出費はバカになりません。 葬儀の前にワタシの方から拠出した資金、多分もう戻って来ないやろうなあと3日目ぐらいから思いはじめましたが(最終的には精算いただきました)、それより義母の疲れの方が心配になってきました。 ちなみに香典の額は特に相場ってものはなく、100バーツから5000バーツぐらいまでピンキリです。これもタイ一般にはどうか知りませんが、当地でのお香典はなぜか「Air Mail」の封筒を使って渡します。天まで届け~ということでしょうか? 行儀悪い言い方かも知れませんが、近所のひとの中には100バーツだけ渡して毎日ここで食事したり飲み物やお菓子を自由に持って行くひともいます。別にそれについて多分本人に悪意はないし、家族や運営の方でも「あのヤロー」みたいに不快に思ってるフシは全くありません。逆に余ったお惣菜を袋に詰めて持たせたりします。 そうしてるうちに各所から届くお花やら供物に囲まれ、棺はどんどん賑やかになっていきます。タイ一般にはどうか知らないのですが、当地では「電飾」するのがお約束。クリスマスのイルミネーションさながらに華やかに点滅しています。 ちなみに棺はお寺の所有物である棺型の冷蔵庫に納められています。雨季とはいっても日中は30度を越えますし、さすがに常温で一週間以上だとエライことになってしまいますからね。 5日目には、市中からウチの子オリちゃんと愉快な仲間たちが伝統楽器を持って駆けつけ、雅やかな演奏を披露してくれました。まさに天上の響ですね。これはいい供養になるでしょう。 本格的に葬儀っぽくなってきたのは7日目から。 この日には神輿のような立派なもの(ですが、よく見ると装飾など紙製で手作り感マンマン)が持ち込まれ、お寺から棺を出して神輿に乗せる「出棺の儀」が行われます。 この出棺の儀を含め、毎日の棺の前での読経のときも、義母(妻)は一切参席しません。お堂の外の仮設テントで一般弔問客と一緒に座っているのです。最初は義母らしく遠慮しているのかと思ったのですが、聞いてみるとこれは当地のしきたりらしい。理由は、故人に対して「これはもうアナタの奥さんでも家族でもないよ~関係ないひとだよ~」と伝える意味があるのだとか。妻をあの世に連れて行ってしまわないようにということでしょうが、う~ん、なんか切ない習慣ですな・・・。 さて、棺を神輿に乗せていくつかの儀式を行い、あとは翌日の「火葬」を待つばかり。 日が暮れると田舎楽隊を招いての「コンサート」が開かれました。トニー・ジャー似の親戚が葬儀専門の演奏をやってると以前から聞いてましたが、これか・・・。 最初はタイの伝統音楽っぽくてまだ聞けたのですが、途中からおちゃらけた田舎音楽になってしまい、女装したブサイクなにーちゃんが奇妙なダンスを始めました。 よく日本人の方から、お寺で楽しそうなお祭りをやってると立ち寄ってみたら葬式だった...という経験談を耳にしますが、ワタシも最初そう思いました。ヨメっこも義母もこういうの好きではないようで憮然としていますが、義父は大好きだったらしい。延々と音楽が続く中、300人以上はいた観衆も最後は数人になりましたが、演奏(と踊り)は深夜0時までしっかり続きました。聞かせる相手は弔問客でなく、故人ということなんでしょうな。 風習の違いにはいちいち面食らいますが、当然ながらそれぞれちゃんと意味があるのでしょう。 それにしてもさすがに1週間ぶっ通しの葬儀で義母の疲れもピーク。一日が終わって家に帰ると、倒れこむように寝入ってしまいます。 あと1日、しっかりと送り出せますように。 (つづく) にほんブログ村 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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