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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
今回は、国分康孝。日本に論理療法を持ち込んだ第一人者。
講談社現代新書で、素人向けにわかりやすい心理学シリーズを書いている。 今回はそのうち、「自己発見」の心理学 著者の立場は論理療法である。 1、出来事より、受け止め方である。受け止め方とは、考え方である。 この、考え方のことをビリーフという。 例えば、雨が降っても、喜ぶ人もいれば、悲しむ人もいる。 行きたかった遠足が中止になって悲しむ小学生もいれば、 高校野球の、疲労が抜けない投手は、一日でも二日でも、 試合が延期になれば嬉しいだろう。 2、出来事→考え方(ビリーフ)→感情 ビリーフこそ悩みの原点。 このビリーフが、適切でないと、苦しくなったり、悲しくなったりする。 例えば、「長男は親と同居すべきである」と、信じていたら、嫁が反対したら苦しくなる。 「親より配偶者の方が大事である」と、思う人は、苦しみは少なくなるだろう。 親の方が、「四六時中、嫁と顔を合わすより、年に何回か食事でもする方が、お互いに気詰まりでない」と、考えて言ってくれれば、ずいぶん楽だ。 この、ビリーフには、正しいとか間違いとか、善いとか悪いとかはない。と、私は考える。考えは自由である、と、思うのだが。 論理療法では、はっきりと正しいビリーフ(ラショナルビリーフ)、正しくないビリーフ(イラショナルビリーフ)という。 まぁ、生きやすいビリーフと生きにくいビリーフみたいなものだ。 生きやすいビリーフは、現実的、論理的、実利的である。 例えば、「世の中は公平であるべきだ」と考えると、生きにくい。 不公平な場面に出会うたびに腹が立つからだ。 現実的なビリーフとは、「世の中は公平であるに越したことはないが、なかなかそうはいかない」 論理的なビリーフとは、「世の中が公平であるべきなら、自動的に公平になっているはずだ」とか、「世の中が公平であるべきなら、人間はみんな同じ、アリみたいなものであるはずだ」 実利的なビリーフとは「世の中が公平であるべきだと考えると、腹が立つ。もともと不公平であると考える方が、精神衛生上、よい」 3、「ねばならぬ」思考からの解放 正しくないビリーフ(イラショナルビリーフ)の代表が、 「~でなければならぬ」「ねばならぬ」思考である。 「世界は平和でなければならぬ。」ではなくて、「世界は平和であった方がよい」 「一流大学に入らねばならぬ。」ではなくて、「一流大学に入れたら、それに越したことはない」 と、考える。 気持ちが苦しい時には、「ねばならぬ」思考があるのだ。 「わたしは、彼女に嫌われてはならぬ」これは、間違い。 「人の気持ちは、自分では決められぬ物だから、彼女に好かれたいけど、嫌われることもあり得る」 4、変えられる状況は変える。 成績が悪い時に、「成績が悪くてもよい」とか、「成績が良いに越したことはないが、悪いこともあり得る」とか、考えるのは、 「成績が良くなければならない」と、考えるより、精神衛生上は良いだろう。 でも、勉強して、成績を上げる方が、もっと良いのではないのか? このような、前提に立って、実生活上でよく起きる、あやまったビリーフを一つ一つ、解説している本です。 例えば、「同僚は仲良くすべきである」は、「仲が良いに越したことはないが、役割さえきちんとこなせば、仕事上は、それはそれでいいのだ」等々。 国分康孝と河合隼雄が、日本の心理学の二大スターだが、国分康孝の方が、実用的ですね。すぐに、役立つ。 でも、河合隼雄の方が面白いけど、効いてるのかどうか、わからないし。 自己発見の心理学 ※1 「<自己発見>の心理学」を取り上げましたが、同じ講談社現代新書でも「リーダーシップの心理学」「〈自立〉の心理学」「チームワークの心理学」「〈つきあい〉の心理学」等々、役に立つ本が目白押しです。他に文庫もあるし。 ※2 ちょっと、疲れ気味です。とりとめなくなっていたら、すまぬ事で。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。読者が100人になりました。感謝。感謝。 サンプルはこちら 人気blogランキング ←今日は26番、一喜一憂するのもどうかと思うが、気になるもので・・・。一つ押して下され。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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