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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
今日は、「消えたマンガ家」大泉実成 太田出版
タイトルを見て手に取り、「ちばあきお」氏が取り上げられているので買った物だが、楽しい本ではない。 取り上げられているマンガ家は5人。 ちばあきお「キャプテン」・「プレイボール」 徳南晴一郎 冨樫義博「幽・遊・白書」 山田花子 鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」 マンガを書くには、たいへんな労力と手間暇がかかる。さらに、ストーリー作り、ギャグ作りとなると、仕事量、頭の疲れ方はハンパじゃない。 それが、週刊ペースで続くのである。 この本の中では「机の前に座ると心臓が痛くなる」とか「止めたいと言ったのに、編集がやめさせてくれない」とか、痛くなる話が色々。 個人の資質の問題もあると思うけど、週刊マンガのシステム自体が、かなり、厳しいと思う。逆に言うと、このシステムの中で、何十年も現役を続けている人達は、どんな人なのだろう。 (最近は、週刊少年マンガ誌でも「著者取材のために休載」の名目で定期的に休んでいるようだ。良かった、良かった) 「ちばあきお」氏の「キャプテン」や「プレイボール」が好きで、何度となく読み返している。氏が自ら死を選んだ時も、たいへん、ショックだったことをおぼえている。 この本の中では、完全主義の氏が、描けなくなってしまう痛々しい場面などが、登場する。もともと、週刊誌ペースの人では無かったようである。そういう意味では、身を削って描くという感じがする。 休養後、月刊誌で、いつでも止めて良いと言うことで「チャンプ」というボクシングマンガを連載し、その途中で亡くなっているのだ。マンガから完全に離れれば、死ぬこともなかったのだろうが。 最後の章の「マカロニほうれん荘」の鴨川つばめ氏のインタビューはおもしろい。強烈な個性とマンガへの愛、編集部との戦いが語られていく。 編集部の方もたいへんだろうなーと思う。 人気のある内にすり減るまで描かせるシステムもおかしい。 どんな名目にせよ、人間を大切にしないシステムが(マンガ界だけでなく)あっちこっちにあるなーと、なげいているのだ。 消えたマンガ家 ※1 消えたマンガ家は、単行本が2,3。文庫本がアッパー系とダウナー系が出ている。単行本と文庫本は構成が違うので、そろえるなら、どちらか決めて。 さらば、わが青春の『少年ジャンプ』 ※1 編集者の側から書かれた話。 悪名高い「漫画家専属契約」や「描けなくなって○○先生が失踪する」とかの話が出てくる。 (○○先生は、複数。あの本宮ひろ志でさえ「男一匹ガキ大将」の主人公、戸川万吉を竹槍で刺し殺し「完」と書いた原稿を残して失踪したことがあるとのこと。) 「少年ジャンプ」の最高発行部数六百五十三万部。 ※2 「キャプテン」、「プレイボール」の主人公の谷口君の名前は、担当編集者の名前。ちばあおき氏が、とても信頼していた人らしい。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。よろしくお願いします。 バックナンバーはこちら 人気blogランキング ←1日1押し有効です。よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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