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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
本日は、前に”空想科学読本”について書いた時に、ちょこっとふれた「ゾウの時間 ネズミの時間」と、著者で歌う生物学者「本川達雄」教授について。
ゾウの時間 ネズミの時間 「ゾウの時間 ネズミの時間」は、副題に”サイズの生物学”と、あるとおり、体の大きさが、生物に及ぼす影響である。 ちょこちょこと数式が出てくるが、そこは無視して結果だけを見る。例えば、 ほ乳類は息を一回吸って吐く間に心臓が四回打つ。そして、寿命を呼吸時間や拍動時間で割ってみると、 5億回息をして、 20億回心臓がドッキンドッキンすると、寿命となるらしい。 (このへんは、全部、平均であり、傾向であります。 動物の寿命のきちんとした統計なんか取れないよね。) してみると、昔から「長生きは長息である」と言って、ゆっくり呼吸するのが長生きの秘訣なのも、理由があるのか。 他に、面白かったのは、体重増加とエネルギー消費量の増加の関係。体重が、増加すればエネルギー消費量も増加するが、単純に一対一とは行かない。 体重が増えるより、エネルギー消費の増え方は小さい。 つまり、10頭の馬と1頭のゾウが同じ重さだったら、馬10頭の方がたくさん食う。100キロの人と50キロの人が2人なら、50キロの人2人の方がたくさん食う。 体の小さい方が、細胞の働きが活発だからだそうだ。 なるほど、小さい方がちょこまかして、大きい方がのんびりしているイメージがあるなー。ゾウとネズミのイメージですね。 さらに、極端な例をあげれば、トガリネズミは体重が3~10グラムしかないが、毎日自分と同じ体重を食べるそうです。(この本にある例ではありません) 50キログラムの人間が毎日、50キロ、飯食ってたら大変だよ。 ナマケモノの不思議な生きる術 さて、「ナマケモノの不思議な生きる術」は、もともと「歌う生物学」という本を、文庫化にあたり、加筆再編集した物。「ゾウの時間 ネズミの時間」よりバラエティに富んで、数式も少ないから読みやすいかも。ゾウの時計は70年、ネズミの時計は2年って章もありますから。 筆者が歌う生物学を、はじめたのは、あまりにも生徒の成績が悪かったから。一生懸命、密度の濃い授業をやっても、テストの出来はさんざん。マジメすぎたか、詰め込みすぎたか、気迫が足りないのか、黒板の字が大きい方がいいのか。 試行錯誤を重ねた結果、ついに、歌まで飛び出した。 巻末には、詞と曲がたくさんのっています。例えば「棘皮動物音頭」とか「ナマコの教訓歌」とか。「ナマケモノのうた」は素敵。 1、ぼくのなまえは ナマケモノ じっとさかさに ぶらさがり あんまりうごかぬ ものだから からだにコケが はえてきて もりのみどりの いろになる 歌詞は6番まである。 「十八じかん ねむるんだ」とか 「しんぞうゆっくり 肺ゆっくり」とか 「だけどぼくらは 長生きさ」とか、魅力的な歌詞がいっぱい。 わたしはナマケモノになりたい。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。がんばる人の応援を毎日しています。 ※1 本川達雄教授、琉球大学で研究していたころの事をたくさん書かれています。 琉大の、のんびりした(イライラする)文化と、生物学の関係。 「島と大陸の生物学」、「北と南の生物学」が、ちゃんとあるらしい。そう言う生物学から、沖縄の文化を理解していったのだ。 メルマガのバックナンバーはこちら ※2 高校の学習参考書のコーナーで、筆者の「歌う生物学・必修編」CD3枚付きを見かけました。さすがに、3,990円は手が出なかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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