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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
本日は、読者を無視しているかも。
今は無き、サンリオSF文庫。 早川でも創元でも徳間でも読むべき本がいっぱいあったわたしは、 サンリオSF文庫は、まー、そのうち評価が固まったらなどと、考えておりました。 そしたら廃刊。 で、結局、入手したのは一冊のみ。 「去りにし日々、今ひとたびの幻」ボブ・ショウ 光が、そこを通過するの時間がかかるガラス。スローガラス。 光が通過するのに、一月かかるとしたら、 そう、そのガラスに映る景色は1月前の景色。 スローガラスの偶然の発明から、発明者の人生をいくつかのエピソードで描いた長編。 そして、長編の途中に、主人公とは関係ない、スローガラスの短編が3つ。この構成がスローガラスで変わっていく世界を表現している。 そして、この短編がいいのだ。 10年物のスローガラス。つまり、10年前の景色が映し出される。自然の中に立てられたガラスを、都会に運び、窓にはめて、10年分の自然を楽しむ。 だが、窓ガラスは、外を写すだけではない。家の中の様子も、外にしめすのだ。 10年前の暖かい家庭の情景。そして、現在の家の中の様子は? わたしが好きなのは、2つ目の短編。 「立証責任」 殺人事件の現場にあったのは5年物のスローグラス。5年たてば、犯人は明らかになる。だが、判事は裁判を引き延ばすことをせず、容疑者を死刑にする。 そして、5年後、スローグラスが犯行の様子を映し出す。 劇的なこともなく、判事の心理の動きだけで進む話です。 この、話の中で、判事は考えます。 ビデオができた時の野球の審判と同じだ。審判が正しいモノとして、ゲームは進めなくてはならない。後で、ビデオがどういう映像を出そうとだ。 これが、わたしの法律に対する考え方になりました。 法律とは社会を進めるための道具に過ぎない。完全な正義や善悪を目指すモノではない。社会を円滑に進めるためには、誤審もあり得る。 話が、変な方向に行きましたが、その後、スローガラスは自由に映像を取り出せるようになります。すると、プライバシーや秘密を守ることは、むずかしくなります。 ショックを受ける、主人公。そして、さらに秘密を探る方法が考え出されます。 後は、読んでのお楽しみと言っても、入手はかなり困難です。すいません。 「去りにし日々、今ひとたびの幻」の復刊希望ページ ※1 復刊ドットコムの「去りにし日々、今ひとたびの幻」の復刊希望ページに、リンクしてあります。興味のある方はのぞいてみてください。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。がんばる人の応援を毎日しています。 ※2 楽天オークションで4,600円ついていました。興味のある方は、のぞいてみてください。↓ でも、買うことはないよ。 4,600円の価値あるなら、とっくに復刻されていますよ。 これは、多分、思い出価格。 「去りにし日々、今ひとたびの幻」オークション価格、4,600円。 ※3 枯草熱-hay fever-が、サンリオSF文庫にありました。買おうかどうかずいぶん迷いました。多分、帯か背表紙に引かれたのだと思いますが。 今、調べてみたらスタニスワフ・レムじゃないですか。買っとけば良かった。 メルマガのバックナンバーはこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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