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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
メルマガを発行する時は、ついついマジメモードになってしまう。
昨日、紹介した「本多信一」氏も、大変マジメな方である。 それで、わたしのこともマジメだと誤解されてはいけないので、自分の好きなことを書く。正体がばれないように、ステルスの話。 本日は、「ステルス戦闘機 スカンク・ワークスの秘密」ベン・R・リッチ 前に”エンジニアへのあこがれ、「匠の時代」「メタルカラーの時代」”で、書いた通り、開発物語が大好きである。 今回、紹介するのは、あのF-117AやSR71を開発した、ロッキード先進開発計画、愛称「スカンクワークス」の物語である。 さて、本の表紙にもなっているF-117A。この不格好な機体は、レーダーの反射を極力抑えた形になっている。世界初のステルス機である。F-117Aのレーダーに対する反応は、小鳥ぐらいしかない。だから、やられる方は、なにも気づかないうちに、頭に爆弾が落ちていることになる。 この飛行機が、レーダー波を反射しないことは、意外なことで証明された。 長い間、機密事項だったので、F-117Aは、地上にいる時は、すぐに倉庫にしまわれる。 その倉庫の中には、コウモリがたくさんいた。ご存じのとおり、コウモリは暗闇の中を超音波を発して飛び回る。そう、レーダーと同じ原理。ところが、F-117Aは、超音波も反射しなかったのだ。 結果、機体にぶつかって死ぬコウモリがいっぱい出たのだ。 F-117Aは、不格好なので、早く飛んだり、すばやい方向転換はできない。夜中にこっそりと忍び寄るのだ。 スカンクワークスの作った飛行機は、特別な性格のまともでない飛行機が多い。本の中でも紹介されているが、かいつまんでみよう。 U-2、高々度偵察機。とにかく、高いところをゆっくり飛ぶ。その高さまで、敵機や敵ミサイルが届かない時は、安泰だった。 ソビエト領内をのぞいている時に、とうとう撃墜され、脱出したパイロットがつかまってしまった。 当時のそびえて首相ブレジネフは、アメリカ大統領アイゼンハワーとの会談の時に、この事実を持ち出して、ポイントを稼いだ。アメリカ側は外向的に点を失った。パイロットが生きたまま捕まったことを知らなかったためだ。 SR-71、高々度・超音速偵察機。 U-2の教訓から、とにかく捕まらないように速く飛べるように作った。結果として、マッハ3の速度が出た。 空気との摩擦熱で、機体が伸び縮みした。場所によって、伸び縮みの割合が異なるため、実際の飛行中に最善の形になるようにされた。そのため、滑走路上では、継ぎ目から燃料がしみ出した。 F-104、初期のジェット戦闘機。とにかくスピード一本槍で、回転半径も大きく、エンジン故障の際の降下率も大きい。ヨーロッパでは事故が頻発した。航空自衛隊にも採用された。 初期のゴジラにやられていたのは、この機体。 スカンクワークスは、誰にもできないことを、安いコストでやってしまう。そのために、リーダーは独裁者だ。ただ、この独裁者は優秀な技術者を納得させる実力がある。 試作器の部品は、すでに実用化されている飛行機から流用された。少しぐらい仕様が違っていても、信頼性は高いし安いし、すぐ使える。本当に必要な時だけ、新設計された。 一番大切なのは、自由と責任と努力である。 言いかえれば、 やりたい放題と怒鳴り声とコーヒーと徹夜である。 やりがいと良い給料である。 経営者と闘い、部下を守って、叱咤するリーダーである。 無能で仕事と責任を部下に回すだけの管理職多し。 だから、こんな物語がおもしろいのだ。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。よろしくお願いします。 ※1 昨日の日記に書いた、本多信一氏のマジメさを表すエピソードを一つ。 相談に見えた方が、遊び好きだったら、自分の方が相手を下に見る気持ちが起きたらいけない。 そう考えて、パチンコや競馬やお酒の修行に行った人である。パチンコは身に付いたそうである。 バックナンバーはこちら ※2 戦闘機の開発は進まなくなるようです。相手がいないからな。 今後、開発物語が生まれそうな分野は、コンピュータ関係。遺伝子工学関係。燃料電池などの省エネ自動車。 コンピュータソフト分野にも、おもしろい話はいろいろあるが、目に見えないロジックの話だから、本にするのはむずかしそう。 人気blogランキング ←ちょっとほっておいたら、だいぶ順位が下がっております。1日1押し有効です。よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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