文章で飯を食う

　昨日は「未来の思想」小松左京。　とりあえず、半分。でした。
　今日は、残りの半分。

　小松左京の文章。どれもこれも、説得力抜群。あまりにも文章うますぎるので、ごまかされてるかも知れませんが。
　文章うまいことも、最近気づいた。あらすじ紹介しようと思って、娘に話していたら、信じられないほど、荒唐無稽。

で、紹介をあきらめたのが「飢えなかった男」。光合成をする人間というのは、たまにあるテーマ。その上、体内に放射性同位元素を持っていて、体内からのガンマー線で光合成を行う。さらに腸内細菌で、空中窒素同定を行い、タンパク質の合成をする。
　このあたりは、小松左京の科学知識のひけらかし方が名人芸で、自分も賢くなったように、わくわくするのだが。
　その後のストーリー展開がおもしろかったのだが、人に説明しようとすると、無茶苦茶。読み返すとわくわく。説明するとハチャハチャ。
　文章力も、ここまで来ると、超のつくレベルだな。





　「未来の思想」もごまかされているかも知れないが、話を進めることにしよう。

　昨日は、人間の脳みその「余剰」の話をした。脳に余裕が出たモノだから、未来などを考え出す。自分の死んだ後の未来なんかどうでもいいことなのだが。

　で、人類は、未来の思想をほんの数パターンしか生み出していない。

　例えば、
　「終末思想」、最終戦争、ハルマゲドンのパターン。
　「輪廻転生」、世界は永遠に続く苦しみ。そこから逃れるための悟り。

　このうち、終末思想は、ユダヤ・キリスト・イスラムの旧約聖書の民の専売特許に見える。
　しかし、この世界が善悪の闘争の場であり、全ての人間は、最終戦争に参加し、自分を明確にしなければならない。
　この思想はゾロアスター教にはじまる。（世界史で習ったゾロアスター＝ツアラトストラの意味が初めてわかった）

　前に” 終わらないと困るのかしら。”で、「ノストラダムスの大予言」にふれたように、人類は終末が大好きなようである。ゾロアスター教からはじまった終末思想が、世界を席巻していくのだ。

　「輪廻転生」、世界が永遠に続く苦しみなのは、インドのつらい生活が背景にあるのでしょうか。このへんはよくわかりませんが。

　同じ永遠でも、日本の神道の場合は、社（やしろ）を何年かごとに、新しく立て替えることにより、生まれ変わることによる永遠。
　これも、一つの「未来の思想」
　日本での生活は楽しかったのかしら。永遠でもいいほど楽しかったのかな。


スピーシーズ　種の起源
（「種の起源」と言っても、進化論とは関係なし。お遊び、箸休め）

　そして、ここで、「進化」という新しい「未来の思想」が登場するのだ。

　このへんは、小松左京、得意の知的ドキドキ感。まぁー、これほど単純なモノではないだろうが、「未来の思想」は、それほどたくさんのパターンは無いよな。

　で、人類は新しい進化のパターンに入っている。例えば、メガネをかけたり、車を使ったりするのを含めて、進化である。自分たちで、進化の方向をコントロールすることも可能なのだ。
　わたし達は弱肉強食ではなく、助け合っていく進化をすることも選べるのだ。

　 　←　メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。よろしくお願いします。

※１　「飢えなかった男」は、短編集で、おもしろい話が満載ですので、手に取る機会がありましたら、是非、ご覧下さい。
　でも、本の「おもしろい」、「おもしろくない」ほど、人の話があてにならないモノは無いと言うことは、みなさん、ご存じのはず。

　人気blogランキング ←瞬間風速、２２位まで、浮上。ありがとうございます。１日１押し有効です。よろしくお願いします。

※２　昨日、今日は、「emmitt22のハマリ人生」の、
「果しなき流れの果に」日本SFの最高峰
ＳＦ「日本アパッチ族」＿無茶苦茶面白い
の、影響で書きました。おたずねあれ。