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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
星新一に「妖精配給会社」と言う傑作がある。
空から降りてきた卵より、妖精が孵化する。その妖精は、人々の耳元で、素晴らしい美声で、本人をほめる言葉だけをささやく。 その先はどうなるのか。どういう社会になるのか。 わたし達の時代は、限りなく「妖精配給会社」の世界に近づいています。誰もが、自分の耳に心地よく、目に楽しいことしか見ない世界へ。 昨日の” 「<子>のつく名前の女の子は頭がいい」 まっとうな社会学の本です。”では、 名前は家庭環境を表す。 <子>のつく名前の女の子は、保守的な家庭を表す。 <子>のつく名前の女の子は頭がいい。 テレビの普及してきた時代と関係が深い。 テレビ視聴の多い家庭はコミュニケーションに問題がある。 あたりで、話が終わりました。 さて、筆者は、 高校入試の成績だけではなく、読む雑誌の傾向等でも名前の分析をします。 そして、ある仮説に行き当たる。 <子>のつく名前の女の子は、「出力価値重視」=役に立つ情報を求める。 <子>のつかない名前の女の子は、「入力価値重視」=おもしろい情報を求める。 とすると、<子>のつく名前の女の子は、つまらなくても、先生の話が聞ける。後で、役に立つから。だから、成績が良い。 <子>のつかない名前の女の子は、つまらない話は聞けない。 ここが、本書の最も重要な部分だと思います。 彼女達は、つまらない話は聞けないのです。つまらない本は読めないのです。(もちろん、程度問題ですが。集会などで、真面目に話を聞けない子供は増えています。入試の成績の悪い学校ほど多くなる傾向を感じます。) 「<子>のつく名前の女の子は頭がいい」金原克範 個人個人はもちろん例外がありますし、聞けない、読めないと言っても程度問題です。<子>がつく名前だから保守的というのも、あくまで傾向の問題。 つまり、テレビに育てられた子ども、そして、その二世達は、つまらない話なら、チャンネルを変えてしまう。 「ガマンして聞かなければ、叩かれる」ような経験がない。テレビ視聴が多ければ多いほど、生身の人間との接触は減るのだから。 夕飯を作る手伝いをした子と、その間にテレビを見ていた子では、どちらが、将来、生きて行きやすいだろうか。 隣近所の子と遊んでいた子と、その間テレビを見ていた子では、どちらが生きて行きやすいだろうか。 コレは、女の子だけの問題ではありません。女の子の名前の方が分析しやすいので、女の子の例が良く出てくるだけの話。男の子でも、コミュニケーションの問題は出てきます。 筆者の結論はきびしい。 彼等に未来は無い。と断ずる。 たしかに、問題の解決につながる情報は取れずに、耳に心地よい話しか聞けなければ、その人、その国は、滅びるしかないであろう。 もちろん、ここまで、極端ではないが、その傾向は確かにあると思う。 ← メールマガジン、毎日一生懸命書きます。「応援メール」です。登録はこちら。 応援して下さった皆様、これから応援してくださる皆様、ありがとうございます。また1つずつ、書いていきます。 ※1 昔から、人づきあいの苦手な、下手なタイプの子達はいました。ただ、昔は、コミュニケーションの量が豊富だったので、下手は下手なりに何とかなっていたのです。 ※2 わたしの考えでは、同年の集団ほどむずかしいモノは無いと思います。先輩・後輩、上役・下役、指導者・生徒、役割のある集団の方が楽です。 今の子達は、大して泳げもしないのに、いきなり、大海原へ落とされているような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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