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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
「そんなの、絶対、おかしい」と、娘は言った。
「美人は得ね」と、かみさんがつぶやいた時だ。 選挙の開票速報で、どこぞの、マドンナ候補の話題の時だ。 「確かに、おかしいけど、この人、美人でなきゃ、こんなにテレビで取り上げないよ」と、かみさん。 しばらく、二人であーだ、こーだと話しておりました。マジメな娘は、選挙に「美人だからどうのこうの」を持ち込むのが、気に入らない様子。 美人の定義とか、美人の歴史的変遷(時代によって美人が変わる)、人間ほど好みが多様な動物はいないとか。いろいろ、言い出すときりがないですが、生物学的に考えてみましょう。 美人は得か? 「利己的な遺伝子」リチャード・ドーキンス ほぼ30年前のこの本で、ドーキンスは「利己的遺伝子」という考え方を説明しました。 動物が遺伝子を残すのではなく、遺伝子が動物という乗り物に乗っているのだ。つまり、動物は遺伝子に操られて、遺伝子が残りやすいように行動するのだ。 例えば、わたしたちは、おい・めい・孫などをかわいがる。自分と近い遺伝子が残りやすくなるからだ。働き蜂が、自分は生殖しないのに、子どものめんどうを見るのも同じ事。遺伝子が残るのである。 自分の子孫を残すのではなく、遺伝子が残るためだと考えると、わかりやすくなるのだ。 この「利己的遺伝子」から、全部を、遺伝的に説明する人達が出てきた。 本書からではないが、こんな実験がある。 女性の顔写真をたくさん準備して、コンピュータを使って、分析して合成していく。 合成した写真から、美人と思う人を男性に選ばせるという実験がある。 選ばれたのは、もっとも、平均的な女性。できるだけ、たくさんの顔写真から、平均値を取った物だったのだ。 わたし達が、平均的な顔というと平凡なイメージを持つが、違うのだ。実際に、平均的な顔を作ると美人なのだ。 さらに、 女性のスタイルを変えて、何が、魅力的かどうかを調べる実験。 今は、コンピュータを使って、写真の修整がいくらでもできるので、同じ女性の写真でも、少しずつ、各部の大きさ、バランスを変えていけるのだ。 さて、瞳の中の瞳孔は、興奮してくると大きさが変わる。ココを、観察すると魅力を感じているかどうかがわかる。これを、何人もの男性について、調べる。 結果は、スタイルによって、同じ女性の写真でも、興奮の度合いが違うのだ。 一番影響するのは、腰のくびれ。腰がくびれているほど、男は興奮するのだ。 美人は、平均的な顔立ちで、腰がくびれている人。 話は逆なのである。 男は、平均的な顔立ちで、腰がくびれている人を美人と感じるのだ。 平均的な方が、生物学的に生き残りやすく、腰がくびれている方が、生殖能力が高いのだ。 遺伝子が残りやすい人を、美人と感じるのだ。男からは、いい扱いを受けることになる。 でも、女性からは、ライバルである。美人にはあたりがきつくなるのだ。 何をもって、得とするかで違ってきますな。美人は利益も多いが、攻撃も多い。浮き沈みが多い人生になるのかしら? ← メールマガジン、毎日一生懸命書きます。「応援メール」です。登録はこちら。 応援して下さった皆様、これから応援してくださる皆様、ありがとうございます。また1つずつ、書いていきます。 ※1 善悪の問題ではなく、遺伝子の影響を受けた、本能です。ただし、人間はストレートに遺伝子だけではなく、社会的・文化的影響もあります。動物の場合、もてる・もてないは自動的ですが、人間は努力が報われるのだ。 ※2 わたし達は、遺伝的な枠の中におります。でも、その枠を、全然、使い切ってはおりません。 遺伝子に縛られるだけなら、脳みそはいらんわな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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