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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
祝日だからとのんびりしていたら、子どもを送るのが遅れそうになった。土・日に文化祭があるので、出校である。
「遅刻したことあるか?」 「無い」 むむむ、かみさんがきびしく育てたので、うちの子はマジメである。 困ったモノである。いつか、わたしの高校時代のことがばれたら、すでにして落ちている父親の権威は、さらに落ちるのである。ついには地の底まで潜るのだ。 なんてね。 高校時代に、わたしのやっていた事なんて、誰でもやっていた可愛いモノである。 高1の1学期に20回の遅刻をし、学校からの警告の手紙を家のポストから闇へ葬った。 高2の2学期から煙草を吸い始め、つい去年、禁煙するまで、28年間、およそ20万本以上を灰にしてきた。 まー、酒を飲んだり、文化祭用の材木を工事現場からくすねたりと普通のことである。 遅刻のことで思い出した。 高校生の頃、通学のバスはちょうど、高校の正門の前を通りすぎてから、止まった。 門には何人かの先生方が並んでいる。 時間内なら、朝のあいさつ。遅刻となると、説教されるわけである。 で、登校時間が過ぎると、バスの中で、わたしらは身をかがめる。マジメな生徒は、素直に降りて怒られに行くが、わたしらは隠れたまま、次のバス停で降りる。 20年前の高校生だ。そのまま、逃げるとまでは考えない。 塀を越えて、学校に入る。遅刻には違いないが、校門での説教がないだけましである。先生方も、いちいち、とっつかまえてまでは怒らない。 塀越えにも二つのルートがある。 市の掲示板の陰からの塀越え。 先日、通りがかったら、掲示板は古くなっているが、そのままある。 で、中をのぞくと、ちゃんと塀越え用に机が置いてある。これこそ、伝統の力だ。 「海援隊」 もう一つのルートは、体育館コース。朝、校門での説教をやり過ごした時に通る。次のバス停から近いのだ。 こちらがわの塀には、鉄条網がある。人通りが少ないので、泥棒よけなのだろうか。一ヶ所、金網のないところが有り、そこから、体育館の階段の踊り場に飛びうつる。間は、50センチぐらいしかないが、高さは2階ぐらいだから、ちょっと、ドキドキ。 ある朝、めずらしく、遅刻せず、校舎の裏側で煙草を吸っていると、掲示板ルートからF君登校。家まで3分のくせに、遅刻の回数が一番多い。 と、反対側からN雄達。大笑いしながらやってくる。K男だけ下を向いている。 「どうした、どうした」 「K男が、落ちた。落ちた」 聞けば、体育館ルート。わずか50センチの隙間から、きれいに落ちたらしい。幸いなことに、土手が斜めになっていて、滑っていったのでケガもない。 ところが、K男、1時間目が始まる前にいなくなってしまった。恥ずかしくなって、帰ってしまったのだ。 それから、わたしの遅刻の回数は減った。自意識過剰の高校生には、ケガより恥の方が身に染みるのだ。 ← メールマガジン。「応援メール」です。登録はこちら。 応援して下さった皆様、これから応援してくださる皆様、ありがとうございます。 ※1 学校事務をしておりますと、喫煙の生徒をつかまえた事もあります。施設の点検に行くと、いるんだなー。 元々、変電所だのポンプ室などは、学校のはじっこの方にあるもんで、煙草を吸ってる子とはち合わせ。自分の高校時代のことは棚に上げて、つかまえます。仕事の内だ。 そんな時には、カラオケで、海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ 」を歌います。 ※2 高校時代、向かいの公園で友達二人が煙草を吸っていました。住民から通報があったのか、生徒指導の先生がやってきた。 あわてて、吸いかけの煙草を握りしめる。当然熱いが、仕方ない。 「このへんで煙草吸ってるヤツがいるって聞いたが、お前ら見なかったか」と先生。 当然、知りませんと、とぼけ通し、助かったと友達二人は得意そうに話していました。 後日、この生徒指導の先生と同じ職場になり聞いてみたら、しっかり覚えておられました。 「煙草の匂いはぷんぷんするし、あわてて、握るのは見えたけど、顔、真っ赤にしてガマンしてるだろう。おかしいやら、可哀想やらで、見のがしてやったんだ。」 仰げば尊し我が師の恩。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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