アネッテ工房の閉鎖
私の大好きな人形作家、Annette Himstedtさんの人形工房が、閉鎖した。 彼女が引退を希望したからとか、彼女のファンを裏切るような製品上の不具合があって、ファンに見放されたとか…そういうことでなく、世界的な不況のあおりをくらって……という理由であるのが、なんともやりきれない。 最近は夫にお迎え禁止令を出され、また、作品のお顔立ちが自分の好みと微妙にずれてきたこともあり、積極的に購入を考えたことは無かったが、それでも最新カタログは必ず入手して、うっとりしながらページを繰ったものである。 閉鎖の知らせはかなり唐突で、私の身近な彼女のファン達もかなり動揺している。 私が「しまった!」と思ったのは、実は我が家で唯一肘に関節のある、ネイティブアメリカンをイメージして作られた子の、その肝心の肘のジョイントが壊れたままになっているということだ。 気付いたのは春先で、多分春の衣装に着替えさせた時に、負荷がかかったのだろうと思う。その時には気付かず、後日人形の位置を変えようとしたときに、ごとりと落ちてきて仰天したのだった。 ジョイントは完全に欠けてしまっていて、自分ではどうにも修理できそうにない。 工房に問い合わせなければと思いつつ、英語かドイツ語でないとやりとり出来ない事や、出産が間近だったこと、出産後は日々の生活に追われてそれどころではなかったこと…などから、重い腰を上げることができずに今日に至っていたのだった。 閉鎖の報告に慌ててメールをしたためたが、返事が来ない。仲間内でかなりの情報通の方が仰るには、私のように急な修理依頼等が殺到していて、あちらもかなり混乱しているらしい。 一週間以上待って返事が来ないので、先程再送してみたところ。 無事に連絡がついて、修理出来るのなら良いのだが。 もう一つ、悩んで居ることがある。 夫には赤ちゃんタイプの人形だけは、お迎えして良いとの許しを貰っている。 子供達が成長して、親なんか相手にしてくれなくなったときに、彼らのベビー服等を着せて、遠い目をして嫌みたらしく回想にふけってやろう…というのが目的であるが(笑)、世に出回っている赤ちゃん人形はリアルサイズベビーに比べるといずれも小さめで、人間服を着せるのはちょっと難しい。 そのなかで、アネッテさんが2003年に発表した3体のベビーだけは、ほぼリアルサイズなのだ。 しかし個人的にちょっと無表情すぎるように感じるのと、この年度の人形まで関節が球体ではなく布で覆われているため、ノースリーブなど着せるのがちょっとなー…という部分にひっかかっている。 そんなこんなで、いずれアネッテさんが、最新の関節技術を用いて、再度ベビーを発表してくれると信じ、それを何年でも気長に待つつもりだったのだが……。 アネッテさん自身は創作意欲を失っていないようだが、何処かの人形メーカーの下で作るとなると、どうしても今までのようなクオリティの維持は難しいだろうし、サイズだって標準的な50センチ前後の赤ちゃんになるのではないかと思う。それなら、外国には2003年ベビーを在庫に持つ店舗が僅かだが残っているので、この機会にお迎えした方が良いのかな…等と考えてしまう。 ただ、何が問題かって、先立つものが充分に無いってことなんだが……。 価格を抑えるため、中古でも…と思ってイーベイやヤフオクを覗いても、このベビーちゃん達…特にお気に入りのケイティちゃんは、なかなか出品されないし。 う~ん、どないしよ? 毎日のように、ショップのカートボタンをクリックしかけては、止める……というのを繰り返している私なのだった。【追記】 メールが宛先不明で戻ってきた……。 もう風種の腕は直せないかもしれない。 ごめんね、もっと早く修理に出してあげればよかったね……。