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月夜に夢を  

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2007.03.21
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カテゴリ:Life
ボーリングがその昔流行った頃 それが父の青春時代だった。
いわゆる団塊の世代である。

家にはボーリングのトロフィーが ゴルフに混ざっていくつかあったし
うろおぼえながらマイボールなるものも持っていた気がする。
早朝ボーリングなるもの(なんと朝の五時!)に
友達と通っていたというのだから 
低血圧のあたしから言わせれば マジありえない。 


退職後の面倒も見てくれる親切な彼の元勤務先の健康保険組合から
スポーツを楽しんだ費用に対して補助がおりるというので
毎年 両親からボーリングに誘われることになるのだが
まだ腱鞘炎の完治に自信が無いあたしは 今日は仕方なく見学だった。

何でもスポーツは観るよりやる方が断然面白いと思っているだけあって
参加できずにその場にいるのは 実にツマラナイ。
だが 退屈そうな素振りを見せて場を白けさせるほど もう子供でもないし。
まあ適当に場に合わせて 盛り上がったりしてみていたのだが
どうも父のスコアがふるわないかんじ。
最初は久しぶりにやるせいだろうと思っていたが どうやらそうではないらしい。

ほどなく 彼の足腰が弱っているせいだと気づく。
あのプロ並みのフォームで投げた後 ぐらっとバランスを崩すのだ。
おかしい おかしいと しきりに首を捻っている父。
腰が言うことをきいてくれない、と言う。

だんだん 身体が思うように動かないジレンマを抱えることになるのだろう。
昔軽々と出来たこと 自慢だったことを ひとつづつ失っていくのだろう。
それが老いるということなのだろう。


隣のレーンで投げる まだ若い(父よりは)男性は ばかすかストライクが決まる。
仰々しい手袋を装着しているあたり 一般ピープルではないようなのだが
あまりの羨ましさに耐えかねたのか 父が「お上手ですねえ」と話しかけていた。
「フォームを見ればわかりますよ。昔相当鳴らした口じゃあないですか。」と
逆にこちらが立てられて 嬉しそうな顔をして 例の早朝ボーリングの話なんかしている。

ああそうか。
大事な青春の思い出は どんなに老いても 抱えていることができる。
それは今の自分の現実によって いささかも傷つけられることはない。


そんなことに気付かされながら 
はたと 今日で確定申告休みが終了したことも知る。
年々短くなるせいもあるけど いやしかし なんか早かったなあ。









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Last updated  2007.03.22 01:26:23
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