テーマ:ひとりごと(15304)
カテゴリ:Life
もはや
できあいの思想にはよりかかりたくない もはや できあいの宗教にはよりかかりたくない もはや できあいの学問にはよりかかりたくない もはや いかなる権威にもよりかかりたくはない ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい じぶんの耳目 じぶんの二本足のみで立っていて なに不都合のことやある よりかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ ■■茨木のりこ詩集「落ちこぼれ」より「よりかからず」■■ この詩を読むたび そう生きたい そうありたいと強く思うのに これを開くとき あたしはいつも そうでない自分に苛立っている。 少々の雨風にへこたれては 職場までコイビトに迎えにきてもらい 電車がとまれば 娘が彼氏のご両親に車ではるばる送ってもらうことをよしとする。 当たり前のように誰かの好意に甘え すっかりそれをあてにして 結局はそうやって ここまで生きてきたのだ。 もしも そうすることすらも 自分ではない誰かの顔色をみて決めることになったとしたら それこそ あたしはきっと自分に幻滅する。 そこが ヨリカカラズ の最後の砦かもしれない。 だけど でも 誰かの気持ちを汲むことと 誰かの顔色を窺うことは とても似ていて 難しい。 それを量りあぐねながら ひとり 背もたれによりかかる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.19 22:33:26
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