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月夜に夢を  

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2007.07.16
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カテゴリ:Mountain
先日の単独行ですっかり味をしめたあたしは 
コイビトが仕事だときいて またもやひとり山に向かった。

単独での山歩きは避けるように というのが常識なのだろうが
これはこれでかなり捨てがたい魅力があって 結構やみつきになりそうな気配。
途中でどんなに足をとめたって 「もう休憩?」って誰もあたしを責めないし。
写真だって撮り放題。マイペースを極められるのだ。
気になるのは 台風の後だっていうことぐらい。さすがに道はどろどろだろうな・・・。

東吾野駅→天覚山(△445.5)→大高山(△493)→吾野駅

というコースを前の晩大急ぎで調べあげたというのに 案の定 途中で引き返すことに。
これからいよいよいいかんじの道に・・・と紹介されていたあたりのところで
登山道が完全に沢になっていた。湿潤どころの話ではなく じゃあじゃあ流れてくる。
だめだこりゃ。
IMG_0452.JPG
ここまで。残念。

山はねえ 戻るという決断が大事なのよ と自分に言い聞かせ
車をとめた東吾野駅(ちなみに一日500円 5台ほどスペースがある)まで
不完全燃焼感を抱えながら さてどうしたものかと地図を眺めて考えつつ戻った。


東吾野駅→ユガテ→北向地蔵→鎌北湖→宿谷の滝→物見山(△375.4)→高指山→
日和田山(△305.1)→高麗駅→東吾野駅

気を取り直して これで行くことにした。
いくつかエスケープルートも考え
あたしってばプロっぽーい とひとり悦に入ってみたりして。
ただし 家に残してきた予定コースと変わることになるので
念のため電波の届くうちにコイビトにメールしておく。

このコースは駅からしばらく舗装道路を登っていくのだが いつもはげんなりする道路も
先刻道なき道を掻き分け裾を泥だらけにして進んだ挙句撤退・・・してきたあたしには
かえってありがたい。

しばらくこの道路をのぼっていって 右へ登山道に入るところから
どうしてだか登山暦30年というおじいさんとしばらくご一緒することになる。
通常は山で出会う見知らぬ人と
休憩をともにしたりすれ違うときに会話をしたとしても まず一緒にはのぼらんだろう。
「私は遅いですから どうぞお先に」と言っているにもかかわらず
あたしのペースに合わせて登る彼にずっと話しかけられ続け
かといって彼をぐーんと引き離すほどにあたしがペースをあげられるわけもなく
結果的には なんだかそんな具合になってしまった。

現役を退いて年金生活に入ってからというもの
交通費を気にして 好きな山にもなかなか思うように来れなくなったこと。
そんな話を聞きながら ふと昨今の年金問題について考える。
もし 彼の年金が行政側のミスで少なく支給されていたとして 
後で一度にまとめて何年分も返ってきたとしても 彼が失った歳月は戻らない。
まだ元気で高い山にもばりばり登っていたころの肉体は 返らないのだ。
ちゃんと年金がおりていたならば 好きな山にももっと思う存分行けたのに!
と 悔しい思いをするに違いない。(あたしなら歯ぎしりするほど悔しい)
通常なら 損害賠償請求モノだろう。

もちろん 彼がそうだというわけではないのだが つまり
その年金が支給されなかったがために人生の機会を逸した人達が大勢いるということだ。
お金さえ払えばいいだろ 時効にしなきゃいいんだろ という問題ではないのだと
あたしは今更気付いた。失った時間は 戻らない。

もっぱら 彼が話し続け あたしは聞き役に徹しているわけだが
ときどき質問も投げかけられる。
おとうさんやおかあさんには ちゃんとどこに行くか言ってあるの?」
・・・ちょっと せめて結婚してるの?とか きいてみてからにしてよ。
あたしゃ高校生の娘がいるんだよ。

まあとにかく 元気だ。
緩めとはいえずっと登りが続き 受け答えに呼吸が乱されてしまうあたしに引き換え
彼はまったく乱れをみせない。たぶん汗もかいてないんじゃないか。
70歳のとき あたしもこうでありたいと願うばかり。

そんなこんなでユガテについた。
「ユガテ」とは「湯河天」 地名でありそこにはなんと集落があるのだ。
畑をとおり 綺麗で気持ちのよいトイレを拝借。
ここの方達が掃除してくれてるんだろうか。
山のトイレは目をつぶって入るようなところが多いだけに 非常にありがたい。

おじいさんとはここで別れる。
同じ鎌北湖を目指すために「え~一緒に行こうよ~」と誘われたのだが 
あたしは最初から彼のとるルートとは別のルートを行くつもりであったし
なんせ 一緒だと会話に集中し 気をつかい 周囲を楽しむ余裕がなくなってしまう。
はっきりいって このユガテまでの道のり全然思い出せないもんね。
「北向地蔵経由で行きますんで」と言い張って さようならをした。

このへんはもう庭みたいなもんだというおじいさんは
北向き地蔵までは沢をふたつ越えることや 
途中の水場は今日は雨水であるから飲むのはやめたほうがいいこと 
宿谷の滝から物見山までのルートは登山地図では点線で急坂ではあるが 荒れていないこと
そんな貴重な情報を残してくれた。ありがとう おじいさん。どうかずっとお元気で。

IMG_0456.JPG
ユガテから北向き地蔵までの道は 実にいいかんじ。
この竹林のあとも ほとんど高低差がなく山あいを縫うように綺麗に整備された道を
まるで森林浴している気分で 静けさの中を気持ちよく歩く。
高い木々の合間から木漏れ日が差し込み 超シアワセ。
標識も整備されているし 家族連れでもおひとりさまでも不安のないコースだ。

それにしても 台風のあとの山はいろんな生き物に出会う。
IMG_0461.JPG
きゃー沢蟹じゃーん と喜んでシャッターを切る生き物だけに遭遇するとは限らない。
蜘蛛、なめくじ、みみず、むかで、とかげ、と続き 極めつけはあたしの身長ほどもある
目の前をにょろにょろと通り過ぎ すぐそこでおもむろにとぐろを巻く。ひえ~。
脇をすり抜けるのに必死よ。ほんと。

IMG_0463.JPG
由来よりも 縁起地蔵である という説明に目を奪われるあたし。
この地蔵様のところは 道路沿いでもあるし いくつかの登山道の分岐点にもあたるため
たくさんのコンニチハを交わす。だからといって そうそう御縁が落ちてるわけではない。

そこから30分ほどで鎌北湖到着。
こじんまりしているかんじなうえに 釣り人がたくさんいて まるで釣堀のよう。
ボートも何も湖にありがちな行楽的な雰囲気がまったく無いため いいかんじで落ち着く。
おかげでベンチでゆっくり昼食がとれた。
IMG_0464.JPG

先刻おじいさんから無料だときいたここの駐車場から上へとのびている
公園へ続く木製の階段が どうやらめざす宿谷の滝へと続く道とかぶっているようだ。
ザックも軽くなったし エネルギーも補給したし よっしゃーと12時出発。

IMG_0465.JPG
宿谷の滝は 台風のあとで水量を増しているのか 細いながらも実に迫力があった。
そこまではただゆるやかに流れてきているように見える水が
ぐっと狭く細く絞られるために ものすごい勢いで落ちてくる。

不満を溜め込んじゃ だめだ。
何故か ふとそう思った。

滝の下では親子連れが遊んでいて お父さんらしきひとが 
口を半開きにして魂が吸い込まれるかのように落ちてくる滝を眺めているのが印象的だった。

周囲は水辺を少し散策できるように整えられている。
東屋やベンチが並び 公園として整えられている広いスペースを横切って 物見山へ。
しばらく沢沿いの道をすすむのだが 厭な予感。

IMG_0469.JPG

え。これ渡るの?
いつもなら軽々渡れる沢なのだろうが 
水嵩を増しているため 中ほどの石が完全に頭をかぶっている。流れも激しい。
だが あとひとつふたつの足場さえあれば 渡れそうな距離なのだ。
思案した挙句 手前にある動きそうな大きめの石をいくつか投げ入れ 強引に足場を作った。
すべるかも と覚悟しながら無理やり渡る。
いや~この日のうちで蛇遭遇事件と一、二を争うほど緊迫した場面だった。

沢を離れれば あとはひたすら登るのみ。
岩がごろごろしているものの木も多いため 根っこが階段状になって安定しているし
ヤセオネ峠も足場がしっかりしていて 地図で点線にするほどでもないよな~という印象。
ただこの時点で 手持ちの水が足りないかもしれないという不安がよぎる。
湿度が高いせいだろうか 今日は水の減りが早いのだ。

物見山は リンがまだ小学生だった頃一緒にのぼったことがある。
娘はあんなに成長したというのに 山はちっとも変わっていないことに感動。
ここは低山では珍しい一等三角点の山だという。
そりゃなんだ?と調べてみたけれど 説明を読んでも頭がついていかない。

http://www12.ocn.ne.jp/~kon/yama/agc_02.html

山頂付近は名前のとおり広く眺めのよい場所にベンチ等置いてあり ゆっくりできるのだが
曇ってきた天気に追い討ちをかけるように 
コイビトから「夕方からにわか雨だってよ」とメールが入り あわてて高指山をめざす。

車道まで降りると なんと店がある!
スポーツ飲料を買い求め 安心して残りの水を飲み干せた。
夏場は今度からもう一本水の量を増やそうっと。
ちなみにここの近く 道路わきの東屋の隣にあるトイレは綺麗とはいいがたい。

アンテナがそびえたつ高指山の山頂はすっとばし 日和田山へとまた登山道に入る。
IMG_0473.JPG 
日和田山の山頂は 物見山よりも眺めがよい。
あのへんのビル群のなかで 祭日だっていうのにコイビトは仕事に励んでいるはず。
おつかれさんです。おかげさまであたしは充実した一日を過ごさせていただきました。
と 手をあわせ さあ帰ろう。いざ降りん。

IMG_0478.JPG
ここから男坂女坂とわかれるのだが どうもひとりのときに男坂は心理的に行きづらい。
つい女坂を選んでしまって ちぇつまんないよ 男坂にしときゃよかったよ と悔やむ。
男坂女坂じゃなくて 上級初級って名付ければいいのにさ とぶつぶつ言いつつも
では ひとりのとき上級コースと名付けられた道を迷わず選べるのか と訊かれれば
それはそれで自信がないのだから なんとも情けない。
そんなことでは 
アンケートで「どちらともいえない」ばっかりに○つけるひとみたいじゃないか。いかん。

高麗駅には 15:00着。
次の日税制改正の研修だなんて 信じられない 信じたくない といったところ。ふう。





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Last updated  2007.07.19 01:13:23
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