テーマ:山歩きの楽しみは・・(375)
カテゴリ:Mountain
道に迷ったらとにかく今来た道を引き返せ と言う原則を改めて思い知った山歩きだった。
そしてそれが いかに難しいかということも。 先週の富士の後のクールダウンということで(どちらかというと身体よりお財布・・・かも) 高速も使わず気軽に行ける 奥武蔵の低山に行くことに。 あまりの暑さに舌を巻いた初夏の棒ノ折山以来だから 結構久しぶり。 名栗湖(河又)→金比羅神社跡→藤棚山→蕨山(△1044)→橋小屋ノ頭(有間山△1163) →滝ノ入頭→鳥首峠→白岩採掘場→(林道)→名郷 ~バスで河又まで トイレの前のスペースに駐車して 7:00頃歩き出した。登山道はお墓の脇を入っていく。 歩き出してすぐ汗が噴出し あまりの暑さに音をあげる。 「やっぱりまだ低山は早かったんじゃないの~?暑すぎるよ~」と愚痴るあたしを尻目に コイビトはかなり上機嫌。 「いや~ 帰って来たってかんじするよねえ。やっぱこの汗が心地いいよねえ。」 ・・・どこが?どこが気持ちいいの? ようやく高度が500メートルを超えたあたりで 人心地がついた。 立ち止まったときの風が気持ちいい。木々の間から覗く青空がまぶしい。良い天気だ。 焼けてしまったのだという金比羅神社の跡地を過ぎてからは 尾根沿いで アップダウンもそうきつくないため まったくもって余裕。 そうなると「あら結構いい山じゃない」という気持ちになってくるのだから勝手なものだ。 林道を横断した後は それを見下ろすようなかんじで平行して行くのだが 林道も登山道も いささか整備されすぎている気がする。 少々やせているところもあるとはいえ そんなに危険な場所でもないし こんな立派な手すり いらないんじゃないの? 蕨山の展望台のベンチで お昼を食べ終わった頃 名郷から登ってきたという単独行の男性が 汗びっしょりで登場。 先程のにわか雨でどうやらレインスーツを着てしまったらしい。そりゃ暑いわ。 この後結局 単独行も含め3グループほどの山ノボラーに出会うのだが かなり整備されている道なわりに人が少ないのは やはりまだ時期じゃあないということか。 この時点で11:00。いくらなんでも ここから名郷に降りたら物足りなすぎるだろう と ぐるっと有間山の方を回り 鳥首峠の方から降りることにした。 途中にあるという廃村も一度見てみたい気がしたし。 こちらのコースは そんなに人気が無いらしい。 枯れ枝が(しかも大きめの)全体的にかなり散らばっていて 踏み後はしっかりあるものの ちょっと歩きづらかった。 だが ある程度の高度をずっと維持しているということもあり 風が心地よい。 橋小屋ノ頭も ヤシンタイノ頭も 滝ノ入頭も どんどん過ぎてもそう疲れを感じない。 小ピークごとにある急登も 「あそこまで登ればいいんだ」 とちゃんと見通しが立つ程度。 たとえそこまで登った後 また急登が待ち構えていたとしても 富士のように 延々と先の先まで絶望的に見える登りの長さを見せつけられるというのとはちょっと違うため 少なからずモチベーションを維持できる。 花やきのこも眺めつつ ふかふかの下りは気持ちいいねえ。膝に優しいよねえ。 とか言いながら 調子よく降りたところが間違っていたなんて 露ほども思わなかった。 ぱっと展望が開け 切り倒された杉の跡を眺めながらしばらく下ると 彼が ちょっとおかしいんじゃないかと言い出す。 右手に採掘場や 鉄塔(鳥首峠のあたりにあるらしい)が見えなくなった。 左手に見える沢や林道の位置が合わない気がする。 そもそも 滝ノ入頭から鳥首峠までそんなに時間はかからないはずだ。 ここで その滝ノ入頭まで戻っていればよかったのだ。 だが あたしたちは 途中右に折れる道があったような気がした地点までは戻ったものの それが道ではないことを確認した後 方位磁針に頼った。(しかもデビュー) うーん。一応 方角的にはこの道を進んでいって合っているような気がする。 ここまでずっとまっすぐで 道がわかれている可能性があるとこなかったし。 なんと安易にそんな結論を出して もう一度降りていったのだ。 ああ ここで戻れば 被害は最小限ですんだはずなのに。 その後相当くだったところで いよいよおかしいということになり もう一度方位磁針を出すと いかん まったくの逆方向。 まっすぐにしか見えない道が 微妙に方向を変えていく怖さを知る。 ふと思い出して 我が携帯のGPS機能なんざを使ってみる。 これがついているからauに乗り換えたようなものなのに すっかり忘れていた。 ・・・やっぱり。道じゃないとこにいるよ。我々は。 どうみても道に見えるのに。テーピングまでしてあるのに。どういうこと? 戻る しかない。 一度降りてしまったものを戻るということはつまり 登るということ。 そして戻るというのは 精神的に結構こたえるものなのだと知った。 フツウに登るときよりかなり疲労感を感じるば 彼が 一生懸命あたしを励ましてくれているのが手に取るようにわかるだけに 泣き言はいえない。 逆境のときでも頼れるひとかもしれない とわかっただけでも救いかしらん と 前向きに考えることにして とにかくひたすら戻った。 間違えた地点を発見。なんと 道標が壊れていた。 それが指し示す右にがくんと下っていく細い道を見逃したのだ。 おまけに あたしたちがためらいなく通っていった方角には柵が壊れた後がある。 気付かなかったよ。ふー。結局三時間ほどロスしたことになる。 気をとりなおして 途中ロープがあるほど急な下りを今度こそ間違いなく降りる。 鉄塔の脇から採掘場が見えれば 鳥首峠はすぐだ。 ここからが結構長い。 ジグザグに杉林を降りていくのだが まだ緑の杉の葉が落ち 道がいまいち不明瞭。 ふかふかなので 膝にはいいような気がするけれど とにかく同じ景色なので飽きる。 何回か沢も渡り 集落跡 いわゆる廃村にさしかかる。 4.5軒の規模だったようだが ここでは引越しもままならないだろう。 ジェットコースターのように見える 荷物用のケーブルカーの路線跡もあったけれど。 採掘場の脇を抜ければ ようやく林道(舗装道)に出て キャンプ場や川べりには家族連れがたくさん。三連休の初日だもんなあ。 みんなすっかりくつろいでいる。 こちらはバスの時間(一時間一本)を気にして急いでいるつもりなのに 早く歩けない。 足首から下が かなりじんじんしている。 しかし今回は軽々余裕山歩きだったはずなのに 思わぬところでしっかり歩くはめに。 まさか10時間コースになるとは。 なんとか間に合って 名郷からさわらびの湯 まで乗れたものの なんと6:00でおしまい。うそー。早すぎだよー。入れなかった。すんごい残念。 おかしいと思ったら 即GPSで位置を確認すること とにかく わかる場所まで戻ること そんな教訓を残した山歩きでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.19 01:46:03
|