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月夜に夢を  

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2007.10.22
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テーマ:生き方上手(685)
カテゴリ:Life
交通事故で両腕の手術をすると連絡を受けたのは まだ夏になる前だった。
それから数ヶ月たち いま彼は毎日リハビリに通っている。

社長のその両腕は きっと昔のようには戻らない。
日常生活を自力でなんとかこなせるぐらいに回復できれば しめたものだろう。
職人である彼が今後現場に戻ることは おそらく無いと思われる。
二代目が継ぐ気になって異業種から移ってきたのは ほんの一、二年前のことで
言っちゃあ悪いが まだまだ半人前もいいところだという状態だというのに。

会社は この先どうなるのだろう。
自分のこの手は どこまで回復するのだろう。いつまでに。


絶対に考え 悩むはずで そして 苛立ちを 焦りを 抱えるはずで
それでも 彼はそんなものはおくびにも出さず
帳簿を手伝いに顔を出すあたしを いつも朗らかに冗談をとばしながら迎えてくれる。
手がくっついてるだけ 命が助かっただけ めっけものだと感謝し
家族に対しても いつも明るく接しているのだという。

そして彼の奥様も 
肉体的にも精神的にも そして経済的にも 負担はのしかかっているだろうに
決して彼を責めることなく 運命を必要以上に嘆くことなく
ご自分の役割を淡々とこなし 一家を支えているのだ。

危ないよ、やめとけば、という周囲の声をきかずに楽しんだ挙句の事故であれば
たとえ彼にこの事故について運転上の過失がまったく無いとしても
あたしなら責めないでいられるだろうか。愚痴らずにいられるだろうか。

彼女は言う。

本人を責めたところで 事態が好転するわけではない。
そんなことは わかりきっている。
泣き叫び 嘆き哀しんだところで 何も変わらない。
だから 自分の感情をなだめるためだけに それを吐き出すだけならば
互いに笑って 冗談を言い合って いたわりあえる方がいい。


まさにそのとおりだと思うし 考えるとおりにそれが実行出来れば理想である。
だけどあたしに 果たしてそれが可能だろうか。



尊敬できる生き方に出会えるということは 幸せなことだ。
逆境のときにこそ 人間としての真価が問われるのだ、と何度も自分に言い聞かせている。






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Last updated  2007.10.23 01:55:45
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