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月夜に夢を  

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2007.11.16
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カテゴリ:Impression
彼がノーベル賞を受賞したとき ほとんど義務感で読み始め そして挫折した。
それがどんな書名だったのかすら もう覚えていない。
活字好きなあたしにとって 読むのが苦痛なほど難しい文学がある という意味では
かなり衝撃的で それでちょっと今回も手に取るのを迷ったのだ。

きっかけは 新聞の小さな記事だった。
彼の書いたこの本に出てくる当時の守備隊長が名誉を傷つけられた との裁判の。
集団自決に関する教科書問題も記憶に新しかったし なんせ娘が修学旅行で近々行く。
興味をもったあたしは これは読まなくては何も語れない と図書館で借りてきたものの 
あまりの字の細かさに(いや漢字の多さ?)またもや投げ出し いや逃げ出しそうになる。

結局 最初から最後まで 順番どおり通しで読んでいくことはあきらめた。
なるべく読みやすそうなあたりを拾いながら つなげて全体を構成する という読み方。
そのあとでようやく 通しで読めたわけで。
人間ドックの再検査で四つの科を受診しなくてはならず
膨大な病院での待ち時間が用意されていなければ 出来ない芸当だっただろう。
(しかも途中で 新聞や雑誌で気分転換をはさんだりするありさま。)

この本を関係者 及び意見する人々は皆熟読したというのだろうか。ひー すごい。
みんなばりばり読解力 (いや忍耐力?)あるんだなあ。
最近の人は 本を読まなくなって久しいというけれど
これだけのものが読みこめれば十分だろうと思う。

そういう意味では「本土は実在しない」という章あたりは比較的読みやすかったかんじ。
“おりがきたら”という彼の言葉を捉えるあたり 感覚の違和感は共感できるし 論理的。
そう このひとの文章は論理的なのだ。基本的に。
人間の複雑な感情の動きすらも その手にかかると堅苦しくなる。
だからこそ 感覚で読む(生きる、とも言う)あたしにはとっつきにくいのだろう。 

この本が世に出たのは1970年。
あたしが生まれた少し前。
あたしはそのあと 36年間も 沖縄について深く考えることもなく生きてきた。
彼が書いたこの当時と 今現在の沖縄と 何が変わったというのだろう。

障害児を抱えた母親仲間に 沖縄出身の女性がいて
彼女は ここでは育てにくい、と 娘を連れて故郷に帰っていった。
遊びに来てね、と 届いた年賀状の写真を思い出す。

行かなくては、自分のこの目で沖縄の現実を見なくては、と 思わないはずがない。








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Last updated  2007.11.17 11:10:49
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