南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し
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翌朝、娘たちの声で目が覚める。イスメットの声も。子供たちを海に連れて行こうと言っているのだった。 水着とタオルを用意してやり、子供たちを送り出した後、朝食の支度。彼らが海から帰ってくる前に、セラップやエスマにはシャワーを使ってもらう。 居残り組の大人4人が先に朝食をとり終わった頃、ちょうどチャイムが鳴ってイスメットと娘たちが帰ってきた。それに続き、アダナを前夜、夜行バスで出発したエダも到着。シャワーを浴びて出た娘たちとイスメットとエダに7人で一緒に朝食をとってもらう。 そして。朝食を終えるか終えないかのうちに、潔癖症で掃除魔のエダの目が光った 前回のウサギ事件で外して洗ったカバー以外は、昨年の夏以来娘たちの手によって汚され放題だったソファーのカバー。これを全部外して洗ってあげようというのだ。一度では洗濯機に入らないので、2度に分けて。 その間に、ぬるま湯に洗剤を溶かし、外せないソファーの外枠や台座の汚れを擦り取る作業。 ソファーは全部動かし、いつのまにか後ろや下に溜まってしまうゴミや埃の掃除と床のモップ拭き。 壁一面を覆う棚の扉の拭き掃除。 オトゥルマ・オダスが終わったところで、次は彼らが滞在中最も好んで座っているバルコンの洗い掃除。ここは、ウサギの他、ビニールプールもあるために、肝心のガーデンテーブルは隅の方で埃をかぶっていた。 内装工事の点検のため自宅に戻ったセラップを除いても、エダの他にブルジュ、エスマという若い助っ人がいるので、私はキッチンの片付けに専念していた。 ようやく手が空き、私は何をしようか?と訊くと、「新聞を全部まとめて、外に出して頂戴」という。私の悪い癖で、読みきれていない新聞をもう何か月分もキッチンに溜め込んでいたのを、エダが見逃すわけがなかった。 しかしこれには、「今は時間がないから」と言い逃れ。そろそろ、クッキーの予防接種のためヴェテリネールに出掛けなければならなかったのである。 私が出掛ける時、エダは「私が冷蔵庫の中もきれいにしておいてあげようか?古くなったもの、たくさんあるでしょう?全部捨ててあげる」とニヤッと笑った。 そうなのだ。エダは、我が家の冷蔵庫の中に、賞味期限切れの食品やしなびて腐りかけた野菜が後生大事にしまわれているのをよく知っていた。 私はこれにも、「後で私がやるから」と慌てて首を横に振った。 エダがどこもかしこもきれいにしてあげようというのは、有難い反面、自分の日頃の怠慢、恥を晒すようなもの。また食事作りと洗濯だけで目一杯なのに、仕事は倍増、疲れが増幅するだけなのは、過去に何度も経験済み。 エダは、自分がいる間に、隅から隅まできれいにしてあげようと躍起になるのだが、日頃ぐうたらな私には、かえって重荷だった。 人数が増え、それでなくても家事量が2倍に増えているというのに、それ以上の家事をこなす気力が私には残っていないのだ。 ヴェテリネールまで1時間半で往復し、4時に自宅に戻ると、1回目のソファーカバーの洗濯が終わって干してあり、2度目の洗濯機が廻っていた。それが終わると、通常の洗濯物。結局この日は、3度洗濯機を回した。 前夜のトゥルルやピラフ、ジャジュックなどが結構残っていたので、他にサラダをたっぷり用意しただけで、遅い昼食とし、昼食後はセラップを迎えがてら、セラップの自宅近くで開かれる月曜パザールで買出しを行うことに。すでに我が家の冷蔵庫はカラッポで、夕食の支度にも困るほどだったのである。 イスメットが、急に泊まることになった遠慮からか、至るところで気前よくお金を出し、さらにはバルブンヤ(ヒメジ)だといって行商人が売り歩いていたビニール袋入りの赤い魚を、中を確かめもせず2キロも購入。 真夏に、身元の知れない行商人の売る魚など、間違っても買ったことのない私は、一瞬不安に狩られたが、イスメットは「目を見れば分かる。新鮮だよ」と言う。 なにより魚はご馳走。あとはサラダでも用意すれば立派な夕食になるなあ~と、私も敢えて口を挟まなかった。ところが。。。。 家に持ち帰ってみたら、ビニール袋の外からでも、なんだか臭う。いざ、お腹を開こうとすると、もう臭いがプンプン。出刃包丁の先を腹に当て切り込むと、とけた腸が流れ出してくるほど それでも、身の方はまだ大丈夫そうだし、状態のいいものがいくつかあって、よく洗い、油で十分から揚げすればいけるのではないかと、鱗を打つ係りをしてくれているイスメットとふたり、ひたすら2キロ分の魚と格闘を続けた。 しかし、ほとんど腹を開いたところで、食品の鮮度にも神経質なエダから、「全部捨てて」の指示が下る。子供たちが中毒でも起こすと大変だというのである。 それももっとも。しかし、イスメットが20YTLも出してくれた魚がオジャンになり、同時に「お魚の夕食」も夢と消え、私はいつまでも後ろ髪引かれていた イスメットがゴミ袋に魚を詰め、通りにあるゴミ箱まで捨てに行くと同時に、私は急遽夕食の代案を考えねばならなくなり、困ってしまった 冷凍庫にあるのは若干の挽肉と、鶏の腿肉。パザールから帰ってきたのが7時。魚と格闘しているうち、すでに時間は8時近くなっていた。 解凍の時間を節約するため、凍った挽肉を直接フライパンに投入。結局、クイマル・マカルナ(挽肉入りのマカロニ)とサラダ、セラップのリクエストで前夜と同じジャジュックという、またも簡単な夕食と相成ってしまった 食後は、同じくパザールで大量に購入したトウモロコシ。 トルコのトウモロコシは、種類や土が違うからか、収穫の時期が遅いのか、日本の甘くて瑞々しいトウモロコシに比べると、恐ろしく硬い。実家で、母の育てたハニーバンタムのもぎ立て・茹で立ての味を知る私に言わせれば、ブタのエサ(失礼!)に思えるほど。なので私は、柔らかくて甘い出走りの頃にしか買わないのだが、イスメットは「美味しいよ~」と言って12本も買ってしまった。圧力鍋で茹でると、柔らかくて美味しいのだという。 さて、我が家に圧力鍋はないので、普通の大鍋で茹でることにしたが、セラップのやり方を見て、オヤッと思った。 トウモロコシがかぶるくらいの大量の水を注ぎ、水から入れて煮始めるのだ。そして、茹でること40分!これならどんなに硬くたって柔らかくなるはず。 茹で上がったトウモロコシを味見してみると、なんだかトウモロコシという気がしない。なんだろう?と思ったら、「豆」によく似ていた。ヒヨコ豆でも食べているような味わいなのだ。 トウモロコシが大好きだというエスマが早速かぶりつき、「チョック・ギュゼ~ル!!(すっごく美味しい!!)トウモロコシの味がしてる!」というのを聞いて、またもや目を丸くした私。そうか~、こういうトウモロコシしか知らないんだ。日本のトウモロコシを食べさせたら、どんな反応をするだろうと、興味が湧いた。歯ごたえのある豆やナッツ類の好きなトルコ人だから、意外に不評かもしれないが。 こうして2晩目もなんとかこなし、その翌日。 エミとナナのバドミントンのレッスンのある日。エレナたちが今日は発つので、一緒に海に行けるのも最後と、レッスンは休み、前日に続き子供たち全員イスメットとエダに海に連れて行ってもらった。 朝食の支度の一方、1回目の洗濯機を回す。人数が多いので洗濯物の量が増えている上に、海から帰ってきた後のビーチタオルや水着、前日洗い残したソファー用の装飾用カバーまである。結局この日も、3度洗濯機を回すことになった。 助かったのは、エダ自身があまりやる気を出さなかったこと。本気になったら家中のカーテンも外して洗おうと言い出していたことだろう。何ヶ月も洗っていないカーテンは薄っすらグレーに汚れていて、エダが見逃すわけはないと思ったが、時間も限られていて、目をつぶることにしたのだろう。 前日同様、居残り組。海から帰ってきたイスメットとエダ。その後シャワーを終えて出てきた子供たちが順番に朝食をとり、片付けが一段落したところで、私には家中の掃除が待っていた。 真夏とて、窓という窓が開け放してある上に、人数が増え、毎日掃除機+モップがけをしても、すぐにゴミだらけ、埃だらけになる我が家。前日、あれほどピカピカに掃除したオトゥルマ・オダスすら、歩くと細かいゴミと埃が足の裏にくっつき、キッチンに至っては、落としたパン屑から何から、足の裏にべったりと張り付くようで、気持ち悪くて仕方ない。 そこで再び、家中の掃除機+モップがけ。これらを全部済ませていると、いつのまにか時計は1時を回っていた。 セラップを自宅に送っていったイスメットが戻ったら、私たちは出発するから。セラップの娘たち3人もその時家まで送っていく。そうエダは言うのだが、イスメットは一向に戻ってくる気配もない。 私は、昼食の支度をどうしようか迷っていた。3人分と10人分とでは、大きな違いがあったから。 とりあえず、冷凍庫の鶏腿肉を取り出し、レンジでの解凍をはじめた。同時に、茹でて冷凍してあったクルファスリエ(白インゲン豆)を解凍し、ピヤズ(白インゲン豆のサラダ)を作ることに。さらに、冷めても美味しく食べられるズッキーニのトマト煮込みの準備も始めた。 準備開始から約40分。ズッキーニとピヤズは完了したが、鶏肉はようやく完全に解凍できたところだった。 そこへ、エダが顔を出した。 「イスメットが来たから、私たち行くわね」 私はちょっとホッとしながら、同時に、これだけ時間をかけて、いまだ食事が完成していないことに後ろめたさを感じていた。 「あともう少し待ってくれれば、食事ができるんだけど・・・」 するとエダは、 「ううん。セラップのところでクスル(挽き割り小麦のサラダ)を作ってるっていうから、あちらで食べるわ」 そう言われて、ようやく気が楽になった。 車のところまで見送り、エダやブルジュ、エレナと両頬をくっつけて別れの挨拶を交わす。 今度はいつ、やってくることやら。夫がいる間は遠慮して来ることはないだろうし、次回はセラップの家に滞在するはずだろうから、我が家に泊まることはもうないかもしれない。 ご馳走らしいご馳走は何ひとつ用意できなかったし、もてなしらしいもてなしも何ひとつできなかった。。。 私がしたことといったら、掃除と洗濯だけだったなあ。。。。 車の後ろから手を振りながら、嵐のようにやって来て、再び去っていった義妹一家を、はじめて心落ち着かせて見送ることができた私であった。 いつも応援ありがとうございます。 掃除・洗濯ばかりの2日間に疲れました。 怠け者め!とお叱りの方もあろうと思います。 お疲れさま!と思ってくださる奇特なお方、 よろしければ、クリックの方もお願いいたします♪ 人気blogランキングへ
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青い地中海を朝な夕な眺めつつ、トルコ暮らしのあれこれを綴っていきます
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