言うまでもなく、ロバート・デ・ニーロが一躍有名になった作品である。
マーティン・スコセッシ監督と組んでつくった作品は数多いが、
やはり、何をおいてもこの映画だろう。
このコンビで創った前作の‘ミーン・ストリート’のデ・ニーロも、
はちゃめちゃで、面白いのだが・・・
タクシー・ドライバー(1976)
ベトナム帰りの青年トラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は、
ニューヨークの夜の街をタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた。
ある日、タクシーで通りがかった大統領候補の選挙事務所のガラス越しに、
そこで働く美しい女性ベッツィ(シビル・シェパード)を見とめる。
彼は堂々と事務所内に入り、彼女に声をかけ、親しくなることに成功する。
トラヴィスは、デートで映画に行こうと誘い、
(なんと!)彼女をポルノ映画館に連れて行く。
彼女は憤って映画館を飛び出し、トラヴィスに絶交を言い渡す。
トラヴィスは彼女を取り成そうとするが、全く相手にされず、またもや苛立つ日々。
ポン引きのスポーツ(ハーヴェイ・カイテル)、
その元で働かされている娼婦(ジョディ・フォスター)は、なんと13歳・・・
街は麻薬患者、売春婦、ろくでもない政治家で溢れ、腐敗しきっている!
トラヴィスは闇ルートから銃を手に入れ、自己鍛錬を始める。
そして、軍服の下に4丁の拳銃と軍用ナイフを隠し持ち、等身大の鏡に向って凄む。
“You're talking to me?” “Me?”
トラヴィスは怒りに駆られ、不正と悪徳に立ち向かおうと決意し・・・
映画館の売り子役で出演したダイアン・アボットとデ・ニーロが結婚した事でも、
話題になった。(後に離婚)
あのハーヴェイ・カイテルが、長髪の悪役で出演しているのも衝撃的だし、
幼い面影の残るジョディ・フォスターの演技も光っている。
そして何より、トラヴィスのぎらぎらした若さと屈折した魂を、
見事に表現したデ・ニーロの演技力に圧倒されるのである。
※なんで、デートにえげつないポルノ映画?
誰にでも、嫌われるやろ!
暗殺を企てたにしては、どう考えても、あの格好、目立ちすぎるやないか!
と、思わずつっこみたくなるが・・・