祭りの維持・継承
祇園祭りの歴史は、1100年以上もの間、連綿と続いてきたと思われがちだが、実態は、戦争や大火などによって中断されている。その度に復興をとげたのは、町衆と呼ばれる市民の意地と、神事に込めた健やかな生活への願いであろう。今なお山鉾が姿を見せるのは、祭りが町衆の生活に溶け込んできた証しでもある。しかし、最近では、鉾町の人口空洞化によって運営側の人手が不足し、祭りを生活の一部ととらえる住民が少なくなっていることなど、近代化による事情によっても祭りの継承が難しくなっている。また名物である粽(ちまき)の材料のワラも、農作業の機械化で入手が困難だという。懸装品の制作技術を請け負う職人や、粽の巻き手も減少し、技術の伝承も困難な局面を迎えている。との記事を見るにつけ、我々着物作りにおいても職人の減少や技術の伝承なども同じで、日本の良き伝統を維持・継承していかなくてはと考えさせられました。写真は月鉾の胴掛です。