『いとしのヒナゴン』重松 清
広島県比婆郡西城町で目撃された「ヒバゴン」にまつわる騒動をモチーフにした物語。内容は従来の作品の重いイメージを払拭するファンタジー。…とは言ってもテーマは市町村合併問題という昨今の問題を扱っている。そして全体を通してのテーマが「信じる」ということ。ヒナゴンもさることながら、登場人物が皆魅力的。なんと言ってもイッちゃんがいい味だしてた。年齢を無視して頭のなかではすっかり泉谷しげるだった。その他の人物も皆、個性があったのでしっかり配役しながら読みました。そして…最後ではしっかり泣かされました。重松さんにはいつもやられてしまいます。舞台となった西城町も今年合併してなくなってしまうとのこと。地元の人にも記念になる作品になっているのでは?