衝動書道
昼間、つけっぱなしていたワイドショーから突然、聞こえてきた言葉。「しょうどう、しょどう」見ると流れているのはB,Zのプロモーションビデオ彼らが歌っている背後で、なにやら著名な書道家らしい人が筆をとり、衝動書道なるものを実践中。どういう意味?今年はこれでいきますとかなんとか…B,Zと書道になんらかの関係があるらしいのだが前後をまったく見ていなかったのでその不思議な言葉だけが心に残る。そうかちょうどいい、きょうは書初めの日にしよう。衝動書道を私も実践することにする。たしかに衝動的に「きょうは書こう!」と思い立たなければ普段はなかなか道具を出す気にならない。かくいう私の父は、書道家である。父の影響で4歳のときに筆をとり、高校を卒業するまで半強制的に、習字をさせられたのでたぶんB,Zよりは書道に近い自信がある。こどもの頃は、正直、父が怖かったので仕方なくという感じだったのだが、今となっては少し嬉しい。筆がちっともこわくないからだ。墨をすると部屋中が清清しい芳香につつまれるからだ。白と黒のコントラストが美しく手書き文字のあたたかみは、どんな活字にも負けない。30をすぎて、あらためて書に向かう時間が楽しいものになった。地元の書道誌に月に一度、課題を提出することを続けているが、それ以外にも書きたい言葉を自由に書く筆遊びにも挑戦中である。今年は、書をテーマにしたサイトも作ってみたいと意気込んでいるところ。幼稚園から帰ってきた息子も誘い向かい合って書く。父の書道教室でも遊びで筆を握らせてもらったし今までにも何度か私のそばでなぐり書きをさせてきたので、要領は得ている。前回よりも集中力がアップしていた。私が書いたものに紙を重ねてなぞらせたところけっこうカタチをとれるようになった。はね、はらいなどの筆運びにも興味を示してきたので父がそうしてきたように、大袈裟な擬音つきで手ほどきしてみると、かなり受けて何枚も何枚も、満足のはらいができるまで書き続けたりして、なかなか有意義な時間がすごせた。