[旅の記憶]の記事一覧 | 語りと筆しごと～書家香玉のうずまき帖

明日、戻ります

見渡す限りの山と海。手つかずの自然が数多く残る西表島に三泊して、きょう石垣島に戻り、明日、福岡に帰る予定です。１歳と９歳が一緒に楽しめることは限られてしまうので今回は二手に別れて行動しました。初日は私と９歳で、マングローブの生い茂る川をカヌーで渡り、落差55メートルという絶景の滝目指してジャングルをかき分け歩き、たどり着いた滝壺にダイブというツアーに参加。翌日は夫と９歳が、珊瑚でできた島まで船で渡る間に釣り三昧。島到着の後、コバルトブルーの海を悠々とシュノーケル、釣った魚でバーベキューというこれまた楽しそうなツアーに参加。その間の私はというと、１歳とホテルのプールでちゃぷちゃぷしたり、レンタカーでドライブ。地元ならではの雑貨屋さんをのぞいたり、観光名所である由布島を目指し、名物の水牛車に乗ってのんびりしたり…途中、車中で昼寝に入った１歳を置き去りにして、道路脇を観察。珍しい草花の写真を撮ったり、ヤマネコさんを初め、ここでしか会えない虫や動物はいないかと、キョロキョロしたりして楽しみました。普段の生活では考えられない時間の過ごし方ができ、とても充実した旅でした。それにしても、噂には聞いていましたが西表島だけでしか作られていないという、ピーチパインという品種のパイナップル。とても香りよく甘くみずみずしく、美味しかった～！！いまが最高に美味しい時期らしいですが、完熟ギリギリなので発送は難しいとのこと。お土産になんとしても送りたかったのに残念でした。地元のスーパーではなんとひとつ50円で売られていました。うらやましいです！

2011年07月26日

快晴。空へ。

福岡よりひとっ飛びで南の島へ行ってきます。飛行機乗るのは久しぶり。秘境と言われる西表島を目指します。１歳連れでどうなることやらですが、夏の思い出づくり頑張ってきます。こちらではなかなか見られない絶景の中で、エネルギーを充電できるかな。いい気をうけて、書作にも役立てます。筆は帰宅よりすぐ。しばしお待ちを！27日には戻ります

2011年07月23日

絶景かな

夏休み最後の思い出づくりに家族で長崎の小島、壱岐に来ています。沖縄に負けない青い海。広い空。ウニやアワビ満載の海鮮料理に名物壱岐牛のステーキとグルメも充実。でも一番気に入ったのは最東端にある左京鼻の雄大な景色。どこまでも続く水平線。断崖絶壁にうちあがる白波。広大な緑の平原。突端に立ち、打ち上がる波しぶきを浴びながら、思い切り大声をだす。なんどやっても波の音にかきけされ、もし落ちてしまえば、あえなく海のモクズとなる自分の小ささをかみしめながら、息子と大笑い。高所恐怖症の夫はほとんど近づず、遠くから「あぶないあぶないもどれもどれ」と血相を変えて叫んでいる様子にまたまた笑いがこみあげる。こんな場所が日常的に近くにあったら、しょっちゅう通うなぁ。

2008年08月26日

東京ドームにて

台風の動きが心配されましたが、無事に東京入りし、昨日、義妹の結婚式をめでたく終えました。明日まで滞在の予定で、きょうは巨人ファンの義父に同行して、みんなで野球観戦。地元、福岡ドームでのホークス戦は何度か行ったことがありますが、巨人戦も東京ドームも初！詳しくはわからないけれどやはり、広々、球場で大歓声の中で見るゲームは、それだけで面白い。なぜかビールもすすみ気持いい！あまのじゃくな私は、長年の巨人ファンの義父の横で広島カープのメガホンふって、煽ってみました。ただいま、9回の表、広島、2アウト2、3塁、逆転のチャンス。苦々しい、じーじの顔を楽しんでます

2007年07月15日

由布院にて

きのうから由布院に来ている。きょうは曇天だが昨日は文句なしの快晴。春爛漫というか初夏を思わせる日差しが注ぎ、豊後富士と呼ばれる由布岳がくっきりと青空に映え、きれいだった。ウグイスも競うように鳴いていて、風流だなぁ。由布院には書画をモチーフにしたアーティストのギャラリーも多くて、刺激になる。いい気を吸収しながら創作意欲をかりたてたい。

2007年03月05日

4歳とトーキョー人情物語

４歳の息子と４泊５日の東京ふたり旅。ショッピングにグルメにアミューズメントになんでもござれの東京だけれど、今回の旅の大きな目的のひとつが、人であった。そこでしか会えない人に会う。息子と共に、普段なかなか会えない人たちと出来る限り会って、語らいたいということだった。私自身は子どもの頃からまったく東京に縁のない人間だったが、結婚して広がった縁にまずは助けられた。東京在住の夫の妹がわざわざ仕事を休んで空港まで迎えに来てくれ、夜は彼らが子どもの頃から親しくしている阿佐ヶ谷在住の従姉とそのダンナさんも一緒にディナー。初日から楽しいひとときをすごせた。まるで東京とは思えない緑いっぱいの閑静な住宅街の中にある従姉の家に、泊めていただいた。目覚めた朝には、小鳥のさえずり。木々のざわめき。軽井沢かどこかの別荘にでも泊まった気分でとてもくつろげた。阿佐ヶ谷や荻窪といった土地で、東京に住む人たちの生活に触れる。高層ビルのジャングルを離れれば案外、みんなのどかにゆったりと過ごしているようだ。翌日は、東中野に移動し、春からずっと上映会のお手伝いをさせていただいた、本橋監督のオフィスへ。実は今回の上京は、本橋さんのお誘いで実現したのだった。監督の３作目の作品となった「ナミィと唄えば」の福岡でのロードショーが終わり、ほっと一息の秋口に「まきも一緒に東京に遊びにきたら」との電話をいただいてすっかりその気になった私たち。本橋さんが運営する東中野駅前の映画館「ポレポレ坐」はほんとに味わい深い。好きな人にはたまらないコアなドキュメンタリー映画が見られる、東京でもファンの多い個性派シアターなのである。自分で映画を作り、ちゃんと一番に上映できる場所も確保できている、本橋監督って実はすごい。というか本当に私なんか足元にも及ばない大きな人なのだが、いつものんびりほんわか優しくてついつい「もとはしさーん」と肩のひとつでも叩きたくなる親しみ深いお人なのである。息子もすっかりなついていて、まるで友達のように「ねぇねぇ　もとはしさーん」と呼んではついてまわる。その夜は、本橋監督の自宅に泊めていただいた。東中野の商店街の途中を入ったところに建つ、とても面白い造りの家で、３階の屋上までらせん階段がのびる。屋上には、緑が生い茂り、メダカや金魚が泳ぐ池がありまるで空中庭園だ。家の壁にはいろいろな作家の絵や写真がかけてあり世界中をまわっていろんな写真を撮り続けている本橋さんが旅の途中で拾ったり、もらったりしたものが、あちこちにぶらさがっている。たとえばインドのトラックの汽笛、スペインサーカスのピエロの肖像「これは？」「これは？」とひとつひとつに興奮して遠慮なく問う息子のおしゃべりをストップさせるのが大変だった。むろん私も同じような気持ちだったが…こどもの遠慮知らずの質問に助けられることは多々ある。よくぞ聞いてくれたってね。初対面だった奥様もとても柔らかな優しい方で、息子を寝かせたあとには一緒にあったかい泡盛を飲み、話し込んだ。とてもいい夜だった。翌日は、スローな東中野とはうってかわって、賑やかな六本木ヒルズ。今年の春に東京に転勤になった同僚の奥さんと待ち合わせてランチ。家族ぐるみで仲良くしていたので、息子もしっかり覚えていて、さっそくじゃれついていた。テレビ朝日で、大好きなドラえもんと握手したあと、地上５２階の展望タワーへのぼり、東京の景色を我が物顔で眺めた。さすがに上空から見る東京の街並みは見ごたえがある。あれは何？これは何？国会議事堂、皇居に、都庁に、お台場、レインボーブリッチディズニーランドまで見える見える。その夜は品川駅近くのレストラン。十数年前、初めての就職先である佐賀で出会った先輩ふたりが、今はそれぞれ東京に暮らしていて、会えることになった。ひとりはふたりの男の子のママ、ひとりは今もバリバリと派遣で働いている独身キャリアウーマン。積もる話は山ほどあったのだが、初対面の息子たちがなにやら興奮しはじめて、今にも騒ぎ出しそうで、慌てて食事をさせたりと、なかなか落ち着かなかった。けれども、ほとんどコトバが必要ないくらい、このふたりの懐かしい顔が見れただけでもじゅうぶんだった。翌日は、大サービス、お約束のディズニーランドへ。春に、福岡から横浜に転勤になった短大時代の友人が３歳の娘を連れて、つきあってくれることになった。福岡で、何度も一緒に遊んだことがある息子は大喜びで友人の娘と手をつなぎ、嬉しそうに歩きまわった。ちょうどクリスマスのイルミネーションが始まったばかりのディズニーランド。雰囲気満点だし、何よりも子連れであることに、なんの遠慮もいらないところが最高である。今回、東京の街を息子と歩いてしみじみ感じたのだが平日の昼間、こどもなんてどこにもいない。私たちが歩いた街が、たまたま完全なビジネス街だったのだろう。朝の新宿や東京駅を、息子の手をひいて人の波をかきわけて、電車に乗るのは本当に恐ろしかった。道行く人たちの視線の冷ややかさに、しゅんとなった。誰もが先を急いでいる朝に、エレベーターのない駅の階段を重いスーツケースを抱え、息子の手をひいて降りようとしたとき、たった一度だけ、中年のおじさまが「大丈夫？持ちましょうか？」と手をさしのべてくれて心底驚いた。うれしかったけれど、すごく重いので丁寧にお断りしたら「そう？」といって、急いで階段をかけおり、すぐにきた電車に飛び乗っていかれた。あんなに急いでいたのに、足をとめさせてしまい、すみません。今度、息子と東京にくることがあったら、気をつけようと思う。そして、翌日の最終日にも、珍しい人に会えた。東京の求心力はさすがである。いろんなところから人をぐいぐいと集めなさる。高校の同級生。京都の大学を出てそのまま、京都の劇団員として活躍する彼が、なんとちょうど、下北沢の劇団によばれてこの日から公演のために上京しているそうだ。息子もよく知っている、舞台俳優、尾方宜久くん。通称おがりん。待ち合わせ場所は「東京タワー前」である。何かと話題の東京タワーに、小学生以来の入場である。息子はもちろん初めて。久しぶりに会うおがりんと、すっかり打ち解け、得意気にタワー展望室から、景色を眺める。タワー内には、蝋人形館やトリックアート館など、おもしろアトラクションもいろいろあって、楽しめた。楽しすぎて、帰りの飛行機に乗り遅れそうになったくらいだ。なんとかギリギリセーフで、羽田空港へ。もうこれ以上ないというくらい、いろんな人に会えて本当に充実した５日間だった。本当はもう一人、短大時代の友人と吉祥寺で約束していたんだけれど、息子ちゃんが熱を出してしまい残念ながら叶わなかったけど。普段、幼稚園以外は、息子とふたりきりのことが多い日常でいろんな人と触れ合えた東京について、息子の感想は「とうきょうっていいね。いろんなひとがいて、たのしいね　だけど、人が多すぎるね。やっぱり日本のちゅうしんの町は　大人気なんやね」とのことでした。

2006年11月14日

トーキョー憧憬

４泊５日で、東京へ遊びに行ってきた。４歳の息子とのふたり旅。こんなことができるのも今のうちだけだろう。今だからできることを存分に楽しむのが私のモットーであるから。息子と手に手をとりあって、いざ東へ！子連れで東京なんて、疲れに行くようなもんだと呆れられるが、なんせ、この私、子どもの頃から東京という土地に、特別な思い入れがある。テレビを見ても、雑誌を見ても、その送り主はすべて「とうきょう」さびれた片田舎で暮らしながら、情報発信基地としての東京の存在感に、圧倒されていた。憧れというより、得体のしれないものへの好奇心。例えば、そこで暮らす人々のこともたまに想像してみるのだがまったく見当がつかない。まるで東京の人すべてが、テレビドラマの中に映し出される人みたいにとても遠い存在に思えた。関東方面に親戚でもいれば全然違ったのだろうが、とにかく周りに、東京を現実と感じられるものが何ひとつない中で、テレビや書物だけが頻繁に、面白そうなワクワクするような情報を届けてくる。１０歳のとき、毎号、購読していた小学館の学習雑誌の懸賞に当たり（残念賞だったけど）東京から私宛に生まれて初めての郵便物が届いた。中身は、ドラえもんのイラストがついた薄い小さな手帳で定形の白封筒に入っていたのだが、とにかくうれしくてその封筒の口を鼻に押し当て、「とうきょうのにおい～」と言いながら、家中を走り回って喜んだものである。小学校６年生のとき、生まれて初めて東京に行った。東京との縁を作ってくれたのは、書道だった。私の書き初めが、賞をとり、明治神宮に展示されることになったのだ。父と母と妹と、当時８０歳をすぎていたひいばぁちゃんまで一緒に、なんと夜行列車に乗って東京を目指した。慣れない寝台でなかなか寝付けず、長い長い時間をかけて、たどりついた場所。朝日に輝く富士山をすぎ、ついに降り立った東京駅で父が車掌の口まねで「とうきょう　とうきょ～う長らくのご乗車お疲れさまでした」と言って皆を笑わせたことをはっきり覚えている。けれども、上野動物園でパンダを夢中になってみている間にひいばあちゃんが行方不明になってしまったことや原宿の入り口らしきところにあった、いかにも怪しい露店で「原宿」と染め抜かれた巾着袋を買ってしまったこと五反田の宿の部屋にあった金庫が珍しくて、わざわざ自分のポシェットを入れてカギをかけ、それをすっかり忘れて福岡に帰ってしまったことなど、東京初上陸の思い出としてはイマイチなエピソードばかりで、東京への想いはますます膨らむばかりだった。そう、普段はすっかり忘れているのだが、私のすぐそばに実は東京を知っている人がいた。父親を早くに亡くした私の父はすぐ下の妹と病弱な母との暮らしを支えながら子どもの頃から苦労ばかりしてきた。進学の夢を捨て高卒で集団就職。汽車に揺られて辿り着いた先が東京だったのだ。オフィスは銀座にあったらしく、精一杯背伸びをして頑張ったらしいが、長続きしなかったという。数年であきらめて、田舎へ戻った。東京への憧れをのぞかせる私にいつも「東京は人の住むところじゃない」と言い続けた父のそばで結局私も、勇気が出ずに、進学も就職も福岡を選んでしまったのだった。たしかに住むのは、ちょっと今でも自信がない。でも、旅人として、自由に動き回れる大人になった今東京という街をいろんな角度から、見て回りたいと思っている。そう、おととしの冬、息子と夫が男ふたり旅で北海道に行ったときも、私は東京ひとり旅をきめこんだ。ぶらりぶらりと５泊６日も…あのときは本当に気ままで楽しかったな。結局、旅日記をまとめないまま終わってしまっていたな。そして今回は、息子とふたり旅。いやはや、大都会・東京のウィークディに、こどもの姿はまったくといっていいほど見えませんでした。見事にビジネスな人々の波にもまれながら身長１メートルちょっとの息子の手をひいて、朝の新宿を丸の内を闊歩。ものすごく目立ってしまいました。旅の詳細は第２部で。

2006年11月12日

春休みを謳歌しました

息子の幼稚園の春休み突入にあわせ、運よく夫も忙殺の日々を抜け出して、一週間の長期休暇がとれさっそく家族であちこちと出かけてきました。といっても、いつもの安近短ですが、気候もよくなかなかに気持ちのよい旅ができました。現在、夫の実家がある島原半島に滞在中。明日がいよいよ最終日です。人吉温泉、人吉城址、球磨川河畔の散歩人吉クラフトパークで竹とんぼづくり熊本現代美術館に熊本ラーメン天草イルカウォッチング、名物ウニ丼諫早のオレンジスパイス長崎市内のショップめぐり見どころ満載の、オリジナルガイドブックが作れそうです。特に、野生のイルカが群れをなして悠々と海を泳ぐ姿には、大興奮しました。後日、写真をアップしたいと思います。明日は、波佐見の白山陶器をたずねたあと福岡に戻る予定。それではのちほど！

2006年03月26日

週末トーキョーの空の下

土日、東京の空の下を歩く。去年３月に、夫と息子が北海道おとこふたり旅、そして私は４泊５日の東京ひとり旅を決行したので、実に１年ぶり。今回は、日曜日に家族揃って義母の兄の７回忌に参列するという目的があるのだが、せっかくだから前日から東京を楽しもうと義母が憧れの帝国ホテルがセットになった格安パックを予約してくれ、ちょっとした旅気分での上京となった。私たちは福岡発８時半の飛行機で、義父母たち親戚一同は長崎発８時半で、ほぼ同時刻に羽田で合流。日ごろ息子とべったりな私を哀れんで夫と義父母がタッグを組み、息子を上野動物園へ連れて行ってくれることになった。おかあさんもいっしょにパンダを見なきゃ～と空港で泣きわめく息子の声に後ろ髪をひかれつつ、義妹たちにひっぱられるようにして別れる。こどもの泣く声を聞くと、どうしても気が滅入る。胸を裂かれるように苦しくなる。これは、母親のサガか。火がついたように泣く赤ん坊をもてあましなんとかして泣き止ませる方法を必死に探っていた頃、突然の泣き声に飛び起きる夜が蓄積され、それは時々幻聴ともなりただただ泣き求める声に呼ばれる日々が蘇る。自分の要求を伝える手段が「泣く」しかなかった時代をとうに卒業しているはずなのに、息子は実に今でも、本当によく泣く。夫によれば、私がいないところでは「おりこうさん」らしいのだ。私と一緒だと泣けばなんとかなるとでも思ってるんじゃない？完全に甘えてるよねだって。泣いたからといって、何でも要求をのんできたつもりはないしそんなふうに言われると、なにがなんでも姿を消したくなる。どうぞ息子とご自由に。事実、ひとしきり泣きわめいた後の息子は義父母に連れられて、それは愉快に動物を眺め先に、チェックインしたホテルの部屋でも、疲れてベッドに横たわるだけの父のそばでずっとおとなしく一人遊びをしていたそうだ。とにもかくにも、私たちは女３人、銀座へと繰り出した。東京在住丸の内ＯＬの義妹がてきぱきとナビゲートしてくれ福岡から同行したもう一人の義妹と目を輝かせて東京の空の下を闊歩する。ランチは、丸の内のフレンチレストラン。せっかくなのでグラスワインをつける。鶏の骨付きモモのクリームソース。しつこくなく深い味わい。添えられたバゲットも感動的においしかった。ひとり旅の時に初めて訪ねた画材専門店「月光荘」をのぞく。カラフルなスケッチブックや、プロ仕様の絵筆が並んでいるのを眺めているだけで、いい気分。あの狭さ、店構え。きらびやかな銀座の裏通りにひっそりと佇む独特の空間が好き。和紙や書道具などの専門店「鳩居堂」でもコーフン。オリジナルのはがきが、どれもこれも素敵で、あれこれ買う。手紙離れが嘆かれている昨今だが、店内は同じように葉書や便箋を買い求める人で溢れかえっていて、びっくり。バーニーズニューヨークでは、バッグが欲しくてウズウズするがなんとか我慢して、２階の洋服売り場で、オリジナルの春物ニットを買う。爽やかなブルーのボーダー。おしゃれに敏感な東京在住の義妹は、かなりの情報通で地図を読めるしっかりものなので、私は完全に頼り切りこどものようについてまわるだけ。去年３月にオープンしたばかりという丸の内の洋菓子店「パティスリー　サダハル　アオキ　パリ」というそれはもう、とてもお菓子屋さんとは思えない洗練された空間へ連れて行ってもらう。ガラスのショーウィンドウにまるで宝石のように並ぶスィーツ。一枚一枚、丁寧に包まれ見事に整列しているクッキーや、焼き菓子。砂糖漬けになったオレンジにチョコがコーティングされているお菓子の美しさに惹かれて、買ってみるが、これが、シアワセな味だった。絶妙な甘さ加減、後味のよさ。値段を気にせずいくつも買えるものではないだけに、特にこの一枚をじっくりと。そんな時間がまた贅沢で楽しい。このシアワセは手かごを持って、ゆっくりと品定めする瞬間から計算され尽くしているのだろう。とはいえ、格式高い帝国ホテルでの滞在にはそれほどの感動はなかった。タワー棟の最上階だったので眺めは最高だったが通常シングル一泊３４０００円という料金もパックツアーに組み込まれれば、東京福岡往復航空運賃込みで４７０００円。長崎発だとなんと３９８００円。いったいどういう仕組みになっているのだろう。ツアー客ということで、接客にも差がつくのは当然なのであろう。チェックインしてのっけから実習生の名札をつけたポーターがおどおどと事前に荷物を預けていた私たちに「お荷物はどちらでしょう」と訊ねる始末。そして台車に乗せられ後方に置きっ放しになっていた荷物を指差し「こちらでよろしかったですか」と。荷物と持ち主を証明するものは何もなく「もし違ってたらどうするんだろう」と苦笑い。部屋に入るとタバコのにおいがするしシャワーは使いにくいし、薄い掛け布団は寒々だった。不快な思いはなにひとつなく、すべて満足という宿に出会うのはなかなか難しいものである。とはいえ、その夜の夕食は、銀座の中華料理店で総勢１６名が巨大な丸テーブルを囲み、和やかに。クドクなく上品な味わいのコースに、義父は「さすが銀座じゃ」と上機嫌だった。息子は、またしても夫と義父母がホテルへ連れ帰り私は義妹とそのいとこたちと、夜の街へ。バーを２軒はしごして、久しぶりにおいしいカクテルを味わえた。子守に徹してくれた夫に感謝。楽しい時間に誘ってくれた妹たちに感謝。家族っていいなぁと、翌日８人兄弟である義母につながる人々が、亡き人をしのんで飲んで食べて笑っている様子をぼんやりと眺めながら、そう思った。煩わしいこともあるけれど、やっぱり人とのつながりは、心強いし、楽しいことを生むほうが多い。

2006年02月20日

カモメパン

熊本北部と島原半島を結ぶ有明フェリー内で売られているパン。船上からちぎって投げるとおびただしい数のカモメが群れてついてくる。怖いけど楽しい

2005年12月29日

モンユフ

天井桟敷のもうひとつの定番デザート。クリームチーズと生クリームで作った白い山。由布岳が雪にまぶされてやたらおいしそうに見える。

2005年12月29日

天井桟敷IN 由布院

由布院の名宿、亀の井別荘の庭にある喫茶店、天井桟敷の大ファン。荘厳なグレゴリア聖歌を聞きながら、深炒り珈琲をすするひととき。デザートはもちろん林檎のコンポート。ワタシのおはこは実はここの真似っこです。オリジナルは最高！

2005年12月28日

夏の旅日記

今週からずっと家に帰っていない。きょうで5日目。ベランダの植木が枯れていないか、水槽のメダカは元気かとっても気になる。冷蔵庫のナマモノはとりあえず食べきってきたし、新聞もとめてきたけど、留守の間に何かとんでもないことが起こっているのではないか余計な心配がつのる。本来、日常を離れ異空間に身も心も解き放つのが旅の醍醐味。でも、今年の夏の旅は家族で安近短コースをせわしく旋回中である。初日は車で1時間半の山あいの村で友人親子とキャンプにバーベキュー。翌日はその足で隣町の実家。しめは夫の実家なり

2005年08月05日

旅とパイナップル

蒸し暑い毎日、食欲減退。それでも食事づくりをお休みするわけには行かずスーパーへ。今はちょっと大きなお店に行けば季節に関係なくたいていのものが手に入るけれどそれでも今、夏だからこそおいしい野菜や果物の顔はやっぱり輝いていて、思わず手がのびる。トマト、きゅうり、なす、かぼちゃにオクラ果物だったら桃、ぶどう…輸入ものを押しのけて、地元産のとれたてがズラリと並ぶようになり、ついつい買い込む。みずみずしい夏野菜を使って、さて何作ろうか暑くてコンロの前に立つのが億劫。それでも…あぁ冷たくひやした、甘い甘いパイナップルが食べたい。スイカでもメロンでもない、あのやたらと甘く濃厚で喉にまとわりついてくるような芳醇な果汁トロピカルという言葉がぴったりで真夏のリゾートホテルのオープンテラスが目に浮かぶ。旅の始まり。いいようのないわくわく感に包まれた朝の食卓に、ボート型の果実。あちこちの市場で、無造作に積み上げられ通りの露商がしょっちゅう、スティック状に切ったものを売りつけてくる。焼け付く日差しの中で食べるパイナップルはいつでもびっくりするくらい美味しい。乾いた喉にまとわりつく甘さであるのに、不思議と爽やかで、疲れた体がしゃきっと回復する。とはいえ、だんだんと食傷気味となり、旅は終わる。そして日常に戻ってはたと気がつくのだ。もうあのパイナップルはどこにもない。確かにスーパーの片隅には、パック詰めのカットパインがそれらしいフィリピン産の生パインが売られてはいるがなぜだかとても買う気がしない。旅の空で食べるあの味とはほど遠い気がして。おととし、沖縄の市場で３個１０００円で買いさらに１０００円の送料を払って、家族へ贈ったパインは感動的においしかったととっても喜ばれた。市場にあれだけ山積みだった沖縄産パインだが不思議とこちらのスーパーで（福岡）全く見かけない。沖縄のパインはどこに行っているのだろう。ことごとく地元で消費されているのかアメリカ？缶詰？早くも夏バテ気味の体がパイナップルを欲した。今年の夏は旅行に行けそうにないしせめてリゾート気分だけでも味わいたいと取り寄せたのだった。「完熟！石垣島のパイナップル」ひとつ７５０円を３玉。送料はなんと５００円。本当に便利な時代である。石垣島の太陽をたっぷり浴びて育ったパイン。箱を受け取り小躍り。プンプンといい香り。さっそく一口大にいくつもカットしてタッパーに詰め冷蔵庫へ。外から帰ってきて、料理の合間に、お風呂上がりに少しずつつまんでは口に放り込み、にやけている。とっても甘い甘い。パインに元気をもらって、明日も頑張る所存。 ★売り切れ続出★限定１８個めちゃうま!!石垣島産直完熟パイナップル

2005年07月04日

東京土産

帰ってきました。はじめてのひとり旅東京５日間歩きまくり。複雑に絡み合う東京の電車路線図と毎日にらめっこしとにかく貴重な時間を少しも無駄にしてはならじと徹底的に歩いてきました。あらためて、日本の中心に集まる人、モノ、生活、文化東京という街の表情の多彩さに目をみはりました。「とうきょうには空がない」わけでもなかった。確かに空気は良くないし、コンクリートジャングルの人混みにめまいがしそうになるし、滅多とないロングバケーションになにもこんな疲れるところにこなくてもと泣きたくなったりもしたけれど。それでも、必死に東京の空の下にあるものを探した。歩いているうちに、今回の旅の目的はショッピングでも観光でもないことに気がついた。ここでの暮らしを体感すること。子供の頃から漠然と憧れを抱いていた東京という街。イメージではなく、そこに暮らし、働く人たちの中にまざってみて、さて何を感じるか。知りたかった。収穫の多い旅だったと思う。今はまだ興奮していて、うまく書けないけれど東京に暮らす懐かしい友人たちにも会えたしびっくりするくらいきらびやかな世界花のお江戸の風情たっぷりの粋な世界東京大空襲６０周年を悼む人々や下町人情そのままの気さくで飾らない風景もあちこちに残っていて、東京の街の懐の深さを思い知った。神田、上野、浅草、日暮里谷中、根津、千駄木荒川、北千住、恵比寿、銀座、丸の内赤坂、六本木、西麻布、表参道、南青山品川、新宿、東中野、吉祥寺電車で降り立ち、歩いてきた場所撮った写真は２５０枚。

2005年03月09日

東京ひとり旅

お台場、汐留、六本木ヒルズ…進化し続ける東京の街。近未来的なビルの最先端スポットにも少しは興味あるが、なぜだろう。私の中の東京のイメージは幼い頃に一度だけ見た上野のパンダだったり赤ちょうちんの浅草だったりする。巨大なビルの谷間に、まるで時間が止まったような懐かしい匂いのする東京！そんな場所に出会うため、初日の朝はまず上野駅へ。駅から続く上野公園をゆっくり散歩し、懐かしのパンダに再会。不忍池に佇み、下町の雰囲気が残る谷中の商店街を巡り、まるで戦後のヤミ市みたいなアメ横をひやかす。

2005年03月06日

福岡空港にて

これから５日間、ひとり旅に出ます。育児に明け暮れている日常を飛び出して、これまでなかなかじっくりと見ることのできなかったものを見てきたい。刺激溢れる東京の街をぶらぶら歩いてこようと思っています。夫と息子は、男同士激寒北海道へふたり旅。さてさて、どんな珍道中となることやら。３月１０日、息子の３歳の誕生日の日に再会します。みんなどんな顔して会うんだろう。今から楽しみ。そして、これから始まる未知の５日間も。毎日、携帯から短い文章を配信しようと思ってます。どんなところに行ったか、興味のある方はアクセスしてみてくださいねなるべく王道は避けふとすれば見過ごしがちな東京のいろんな表情を追いかけようと思っています。それでは！今から搭乗口へ行ってきまーす

2005年03月05日