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カテゴリ:山
最後の長いハシゴを登るとゴツゴツした岩ばかりの狭い頂に出る。風雨に晒されてくたびれ果てた祠がある。標高3180m、槍ヶ岳の頂上だ。男性が言っていたように誰もいなかった。ほぼ無風。太陽の熱が薄い雲を通して身体を温めてくれるおかげで、シャツ一枚でもまったく寒さを感じない。時計を見るとちょうど正午前。小さくガッツポーズ。なんだかんだで20km以上歩いてきたのだからやっぱり嬉しい。
とりあえず祠を覗き込み、狭い頂上の縁を腰が引けつつも回ってみる。ガスのせいで下が見えないと世界の端っこに立っているような気分だ。三脚を立ててカメラをセットするが、なかなかガスがきれいに晴れない。 携帯電話の電源を入れてみると、なんと電波が入ったのでメールなどしてしまった。やれやれ、である。「俺はこんなとこまで登ってきて何をやっているんだ」と思う。それでも時々ガスのなくなる方を写真に収めていると「こえー」と言いながら30代半ばくらいの男性がハシゴの先端からひょっこり現れた。やっぱ怖いっスよね。 彼も初の槍ヶ岳のようで嬉しそうだった。「あっちに○○岳があるはず」「下りのほうが絶対怖そう」などテンプレ通りの会話を楽しみ、なんだかウマがあったのでいろいろ話した。僕は写真を撮るために頂上に残り、彼は下りていった。 しばらく経つと今度は初老の男性が登ってきた。面構えや歩き方からして僕の1000倍は経験を積んでそうな人だったが、予想通り新穂高温泉から日帰りで槍ヶ岳ピストンという予定だそうだ。日帰りですか・・。 結局40分近く頂上にいたが、常念も穂高も見えないので撤収することに。写真を撮るという意味では完敗だった。一応記念写真的なモノを撮って下山。高度感に慣れてきたのか思っていたほど怖い思いをすることなく槍ヶ岳山荘に到着。 槍ヶ岳でご来光を見るため一泊するか、南岳に向かうか迷いながら、山荘内のティールームのようなところで山頂で会った彼と話していると、あたりが雲に覆われ雨が降り出した。というわけで今日の山行は早めに切り上げて、ビール(生ビール=野口英世1名)を飲みながら、登ってきた同年代っぽい人たちと話す。 西表島横断、礼文島横断などいろいろな冒険談を聴きながらビールを飲み、ビールはやがて持ってきたウィスキーに変わっていった。ときどき外に様子を見に行ってみるが雲は厚くなるばかりで小雨が断続的に降っているだけだった。20:30の消灯時間までにウィスキーを200mlほど飲み就寝。ホント何しに来たのだろうか。高所宴会? (歩いている途中に撮った中岳?) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.25 22:18:08
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