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ベンガベンガ@ Re[1]:偶然ダイヤモンド(10/20) Rongunさん ご無沙汰しています。六月…
2008.09.19
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18日夜、仕事を終えて帰宅し、荷物の最終チェック。
何度見ても何か忘れているような気がするが、この心の中の迷いもいつもの儀式のようなものだろう。予約しておいた23時都庁前発の「さわやか信州号」に間に合うように家を出る。

少し早くつきすぎたようで、夜中の都庁敷地内をぶらぶらする。不必要なまでに贅沢な空間の使い方になんだかやるせない気持ちになった。

バスの受付を済ませて乗車。台風情報の影響でバスは空いていて、一人で2席分を使ってもまだシートが余っているくらいだった。23時定刻通りに出発。中央高速SAで2回休憩を挟んで上高地へ向かう。

グレイハウンドよりはいささか乗り心地はいいかもしれないが、フルリクライニングにしても安眠できるものではなく、MP3プレイヤーが垂れ流す音楽を漫然と聴きながら外の闇を眺める。八王子を過ぎたあたりから雨がポツポツと窓を濡らすようになった。

およそバスのシートで取りうる限りの睡眠体勢をすべて試みたような気がするが、結局眠れたのは約2時間。まあ予想はしていたことなので仕方ない。

午前6時過ぎに上高地到着。バスを降りると雨は降っていないが曇天。ストレッチをして水を補給。不自然な体勢で寝たためか背中の左側が痛い。サブザックの荷物をザックにつめかえ、カメラバッグをいつものように腰につけ、6:50に上高地発。

梓川

とはいっても上高地~槍ヶ岳の通常ルートはその行程のほとんどが散策道のようなもので、登山といった感じではない。梓川に着いたり離れたりを繰り返し、明神~徳沢~横尾と黙々と歩いていく。途中で槍見河原という場所に出て見上げると乳白色の空に薄墨で描いた亡霊のような正三角形が見えた。

槍見河原からみたトライフォース

明神あたりから降り始めた雨は横尾に着いたあたりで勢いを増してきたのでレインウェアを着ることに。台風のせいか気温は高い。レインウェアを着て歩くと汗が大量に出て決して気持ちのいいものではない。

登山と言うよりは登山道へのアプローチといった感じの道を雨の降る中歩き続け、11:40に槍沢ロッヂに到着。ここで台風の様子を見て続行か否かを決めようとしていた場所だ。登山客は誰もいなかったのでゆっくりしていると20人くらいの登山客が登ってきた。

話している言葉からすると中国から来た人たちのようで、どうやら槍沢ロッヂで昼食を食べて帰るようだ。雨の中、長野の山奥まで来て昼を食べることにどれだけの観光的価値があるかどうか定かではないが、それなりに楽しそうだった。

今夜の宿泊先

とりあえず14キロある道のりを歩いてきたとは思えないほど元気な声でまくし立てるように話す彼ら。あまりうるさいのは好きではないので、早々にロッヂを発つことにした。いよいよここから登りが始まる。が、昨日ほとんど寝ていないせいか、このへんから足が重たくなってくる。同時に上高地を出発した人たちも全員先に行ってしまい、重たい荷物を背負って雨中を一人歩いていると、なんだかとても空しくなってしまった。

歩き始めて50分。大曲と言う東鎌尾根からのエスケープルートの分岐を少し過ぎたあたりでだんだん気が滅入ってくる。ザックは妙に重く、雨は忌々しく、ペースをキープできない自分の体が呪わしく思える。

このまま殺生ヒュッテまで登るか、槍沢ロッヂへ戻って一泊するかの選択が、一歩歩くごとに回転する硬貨のように頭の中を回っている。20分ほどさらに歩いて一度休憩のために立ち止まった時に心が折れてしまった。

折り返し地点

槍沢ロッヂに帰ることにした。今まで歩いてきた道を引き返すのは辛い。時間的にはたいしたことではないのだが、ロッヂがとても遠く感じる。ベルクソンの言うところの「時間とは意識の内容である」ってやつだ。

雨の中、先ほど登ってきた道を引き返し14:00ごろ槍沢ロッヂに到着。チェックインしてビール(なんと生ビール!!)を飲む。中ジョッキで1000円もするが、「味ごのみ」のツマミつきでこの値段はリーズナブルといってもいいと思う。結局、野口英世2名の尊い犠牲を払うことになった。

=野口英世

ビールを飲んでいると宿のスタッフが「3時から7時までお風呂はいれますよ~」とおっしゃる。何?風呂?横尾山荘に風呂があるのは知っていたが、ここにもあったとは!!しかも利用客は僕一人。

案内された風呂に行ってみると畳三畳はあろうかという立派なバスタブが。もちろん山の中で浄化施設がないのでシャンプーや石鹸の類は使用できないが、大の字になってもなお余りあるスペースの風呂に一人で入れるのだ。これほどの贅沢があるだろうか。

お湯がものすごく熱かったが、うめるための水を使うのは山の掟的に許されない気がしたので江戸っ子モードで入浴。全身から先ほどまでのモヤモヤがお湯に溶け出していくよう。命の洗濯とはよくいったものだ。明日に疲労をなるべく残さないように入念にストレッチをして風呂を出る。

夕食までまだ時間があるので、持ってきた亀山訳の『カラマーゾフの兄弟2』を読みながら缶ビールと日本酒を買って飲んでいると、もとい、酒を飲みながら本を読んでいると、30代後半くらいの男性が一人ロッヂに到着。どうやらここに泊まるらしい。本日の利用客は僕とその男性のふたりだけのようだ。ちょうど「大審問官」の手前のアリョーシャとイワンのやりとりを読み終えたところで夕食。

槍沢ロッヂの薪ストーブ

焼いた鮭やオクラなどけっこうしっかりした晩餐。北アルプスの山小屋はメシがうまいとはよく聞くけれど、その意見にはまったく賛同だ。朝に上高地で売っていたおこわとヴィダーインゼリーしか食べていなかったので、がつがつと平らげる。

食事を摂りながら男性と話す。朝東京を出て昼から登ってきたようで、明日は僕と同じく槍ヶ岳に登り、南岳山荘に泊まるとのことだった。そして天候が崩れなければ明後日に大キレットに挑戦するらしい。

夕食を食べ終わり、まだ入浴できる時間だったのでまた風呂に入らせてもらう。なんだか登山をしに来たような感じがしない。乾燥室に濡れたタオルやウェアを干しにいき、談話室にあるテレビで明日の天候をチェック。19:00ごろ布団の上で意識を失った。






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Last updated  2008.09.25 21:34:11
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