|
テーマ:今日行ったコンサート(1209)
カテゴリ:クラシック
みなとみらいホール 15:30〜
2階右横 ウェーバー (ベルリオーズ編) :舞踏への勧誘 op.65 ショパン:ポーランド民謡による大幻想曲 op.13 リスト:死の舞踏 S.126 <独奏アンコール> モンポウ:歌と踊り 第9番 ビゼー:カルメン組曲 (キンボー・イシイ版) <アンコール> ビゼー:アルルの女 第2組曲 〜 メヌエット ピアノ:福間洸太朗 NHK交響楽団 指揮:キンボー・イシイ 順序は前後することになりますが、日曜日はダブルヘッダー。オーチャード定期をみなとみらいでやるので、聞きに行ったわけです。 今期のオーチャード定期は<Dance Dance!>というテーマなんだそうで。全4公演なのですが、確かにワルツだとかバレエ音楽とか、何某か踊りの音楽が入っているという態。 指揮はキンボー・イシイ............確か、以前はイシイ=エトウさん、でしたよね。何かあったのかしら。まぁ、今はこのお名前でやってるようです。ピアノは福間洸太朗。この人も時々引っ掛かります。若手ではありますよね。クリーブランド国際で優勝してるとか。そういう人若干食傷気味ではありますが.......まぁ、人気があるのは悪いことじゃないですよね。うん。もう日本でデビューして20年なんだそうで、30代ではあるのかしら。 面白いというかなんというか......なプログラム。舞踏への勧誘とか、昔の通俗名曲に入るんでしょうか。最近はあまり聞かない。メロディを聞くと「ああ、あれか!」と何処かで聞いてそうではある、ちょっとキャッチーなものではありますが。テーマ絡みで引っ張って来たんでしょうか。その後2曲はピアノが入る曲。最後はカルメン組曲ですが、キンボー・イシイ編の11曲からなるもの。カルメンはよく知ってるけど、勿論この編曲は初めて聞く。 舞踏への勧誘。まぁ、オケが硬いですね。序奏に当たる勧誘の部分はともかく、舞曲、まぁワルツですが、に入ると、突然弦の音が硬くなっちゃう。力み返ってるまではいきませんが、ちょっと優雅さに欠けるよなぁ、という。そして華やかに舞曲が終わると案の定拍手が。これ、ウェーバーがピアノ版でもう具現化してる引っ掛けなんで、お約束ですがね。まぁ、コンサートの導入部だから、こんなもんでしょう。 ここから2曲はピアノが入ります。が、1曲目のショパンは、正直あまり面白くなかった。演奏がどうとかいうより、曲自体があまり面白くなかった。ピアノ協奏曲を書く前の曲だそうですし、若書きなんでしょうかね。 それよりも面白かったのはリストの「死の舞踏」。この曲久々に聞きました。そもそも生では聞いたことあったかどうか。この曲も前のショパンもそうですが、15分程度の短い曲なので、中途半端なんですよね。だから今回もこういうプログラムになったんでしょうけれど。短くても、ラプソディー・イン・ブルーみたいなのならピアノのインパクトもあるし、1曲でいいんでしょうけれど。なのであまり演奏機会は多くないんじゃないかと。 でも、この曲、面白いんですよ。変奏曲形式で、主題はよく知られているグレゴリオ聖歌のDies Iraeの旋律。あちこちで使われてるアレです。これをモチーフに、主題と6つの変奏とコーダ、といった形なのですが、これが面白い。オーケストレーションが多彩でインパクトも十分なのだけれど、ピアノがそれと渡り合って余りあるような存在感を持ってます。このへんはリストの面目躍如ってところでしょうか。私は、レコード時代に、確かオーマンディー指揮のを持っていて、それで知ったのですが、独奏はアントルモンだったか、面白かったです。勿論これがメインではなくて、何かのカップリングというか穴埋めだったと思うんですが、相手の曲は忘れてしまった。 この日の演奏はピアニストが良かった。ショパンの方は不完全燃焼気味だったかと思うのですが、こちらは気合十分、火の出るような、と言いたくなるような熱演。まぁ、あの旋律、どこで出てきてもちょっと熱くなる気はしますけどね。個人的には本当は熱演みたいなのって一般的にはあまり好きではないんですが、こういう曲はこれでいいんだと思います。特に後半、第5変奏あたりからの演奏は一気呵成にコーダに向けて雪崩れ込む。技術と熱量のバランスが取れていて、良かったと思います。 その後独奏アンコールにモンポウ。これ、聞いてる時は分からなくて、あとでそうと知ったのですが、聞いている時は「なんだか近代的というかポピュラー的な響きで、中途半端かなぁ」と思っていたのですが......なるほど。モンポウね。私はモンポウよく知らないのですが、この後マルティン・ガルシア・ガルシアで聞いたのと考え合わせると、別に追っかけなくてもいいかな、という気はしました。ガルシア(いろいろ略)の方はプログラムの中で、全体の構成としてもちょっとどうかと思いましたが、アンコールピースとしてなら、まぁ、いいかな。演奏は良かったですよ。 後半はカルメン。なんかさぁ、最近こういう「指揮者が編曲したのを演奏する」ってパターンあるんですけど、すんごいゲスなこと言うと、これって著作料目当てなの? 前にバッティストーニが自作曲をやったのは、あれはまぁあくまで自作曲、自分で作曲したものですからね、そういうのはそこまで思わないんだけど、既存の曲の編曲みたいなのを指揮者が手掛けて演奏するのって、どうなんだろう.......別にお前の編曲いらんよ、とか思ったりね..................うん、もうやめます。ゲスの勘繰りだわ。自分から己を貶めることもあるまい.........(.....もう堕ちるとこまで堕ちてる?アウアウ...) 気を取り直してキンボー・イシイ編のカルメン。なんかそんな風に思ってしまうのは、ちょっと違和感を禁じ得なかったからではあります。悪くはないですよ。でもねぇ......カルメンの組曲は2つあって、そこにもともと入ってるようなのはあまり違和感ないんです。でも、そうでない曲がね。 そう言っちゃなんですが、こちらはカルメンならソラで全編歌えそうなくらいには覚えてます。何度も聞いたし、何度も見たしね。で、この編曲だと、たとえば「闘牛士の歌」が入ってます。で、このエスカミーリョが歌うパートを、トランペットで吹かせるんですね。それが違和感ありまくりで........トランペット奏者が悪いんではなくて、そもそもここをトランペットに吹かせるのがね。発想は悪くないけど、ちょっと。 で、その後にセギディーリャ、これは1幕でカルメンがドン・ホセを誘惑する"リーリャス・パスティア"の歌。これも、カルメンの歌をトランペットが吹く。トランペット好きなんですかね。気持ちは分かります。トランペットって人の声に近しいところはある。チェット・ベイカーなんて歌ってるのか吹いてるのかシームレスなところはあったし。でも、原曲を知ってると、違和感あるんですよ。最後はロマの踊りとなってますが、これは第2幕冒頭、件のリーリャス・パスティアでカルメン達が歌い、演出によっては踊りが入る曲。これなんかはさ、もうそのまんまの方がよっぽどインパクトあるしね。 まぁ、なんというか........これやるなら歌手呼んで来てよ、とは思ってしまったのではありました。 アンコールにアルルの女。うん。ファランドールやって欲しかったなと思うけど、それは無理ってものなんでしょうね。 でも、まぁ、全体として、悪くなかったと思いますよ。一番はやっぱり死の舞踏かな。あれが良かったから全体的に良かったな、という感じだったと思います。 しかし、連休だからというのはあるにせよ、みなとみらいは凄い人出でしたね。ちょっと疲れちゃう。渋谷だっていつも人出は多いんだけど、なんかみなとみらいだと疲れるんだよね......なんでだろ.......なれの問題かな........ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年11月05日 00時15分08秒
コメント(0) | コメントを書く
[クラシック] カテゴリの最新記事
|