LFJの歩き方:はしご
はしごと言っても脚立やらのことではありません。はしご酒とかあっちの方の比喩の意味。つまり、一日に続けて何本もの公演を立て続けに聞く訳ですね。コンサートのはしご。 率直に言って、今のLFJのチケットは、決して安いとは言えません。今時、日本のオーケストラのコンサート、例えば在京オケの定期演奏会なら、一番安いとこなら3千円かそれ以下だと思います。N響のNHKホールでの定期演奏会なら、3階後方自由席は1,500円。それで、休憩挟んで約2時間の公演。LFJは標準45分なので、通常のコンサートの前半後半どっちか一方、といったところ。それでチケット代は、安くても1,500円、今は2,500円くらいがごく普通なので、相対的に見てもそう安くはない。 一方、LFJは「一流の演奏」を謳ってはいますけど、ここだけの話正直に言うと、玉石混淆ではあります。少なくとも、「この人/団体なら、LFJじゃなくても聞きに行くよ」という人は全部が全部ではなくて、LFJで丁度この時間帯に嵌ってて買えるから聞く、というのは、まぁ、あります。演目もそうで、まぁ私は結構なんでも聞く方の人ではありますが、それにしても、よくまぁこんな演目やるよな、というのもままあります。 そういうのをわざわざ日頃さんざんクラシック音楽を聞いてる人間が聞きに行くのか、というと、これが行く人・行かない人、両方あるんですね。行かない人の理由はまぁ大体分かるというもので、行く理由はもこれは色々あると思うのですが、その一つに、こういう聞き方は日頃なかなか出来ない、というのがあると思ってます。 私はボランティアとかやるので、そういう聞き方はもうしないのですが、本気でやろうと思えば、LFJでは一日9公演くらい、朝10時から夜22時半まで聞き続けることが出来ます。まぁ12時間半の内9公演 x 45分とすれば正味7時間弱ですから、それほどきつい訳でもない.....こともなくもない、か.....まぁ、出来ます。昔やってたし。 そんなことして楽しいの?と言われると、なんともですが、まぁ楽しいには楽しいんですね。とにかく色々聞いてみたい、という身には。それと、これだけ次から次へとコンサートをとっかえひっかえ聞いていると、飽きる暇もないし、日頃小難しい事を言って批評している私みたいな聞き方してるのがちょっとばかばかしくなる。だって振り返る間も無く次のコンサートに行くんだもの。次から次へいろんな生演奏が聞けるという贅沢。日常でも、トリプルヘッダーまではやることありますけどね。マチネ+ソワレ+ブルーノートの2nd とか。でも、LFJみたいなのはない。もう一日有楽町どころかほぼ国際フォーラムから一歩も出ずに、他の事は殆ど考えずに中毒患者のように聞き続けるという。 まぁ、ねぇ、そういう聞き方した事無いのか、といえば、あるにはあるんですよね。それこそ学生の頃とか。その時は生演奏じゃなくてCDだけど、朝から晩までずーっと聞き続け、とか。でも、歳とると、なかなかそういう時間も取れないし、集中力も続かない。私が学生の頃はインターネットも携帯も無かったから、そういう事出来たんですけどね。今はそれって意外と出来ないかも知れない。それが出来るという贅沢。まぁ、やってる姿は全然贅沢に見えないでしょうけどね。でも、これだけ音楽三昧で過ごせる環境もありそうでない。今時希有な環境だと思うのです。 それが、まぁ、LFJではしごする楽しみなのです。 はしごにもコツがあって、要は如何に遅刻せず、中抜けせずに聞きに行けるか、という事なんですが。 この時期にこれを語っても手遅れではありますが....ベストは、合間20分以上空けること。こうすると、大抵の場合あまり困らずに次のコンサートへ行けます。各コンサートは5分くらい押すのはままあること。一方、ホールにもよりますが、1ベルは大抵5分前。つまり、5分押し・5分前と考えると、20分あれば移動に10分取れる訳です。これに、各環境による追加時間を考慮すれば良い。ホールAとガラス棟、有料公演ならG409が関係する場合は移動に+5分と考えるべき。ホールD7も出る方は+5分は見ておくべきかと。場合によっては+10分になりますし。だから、ホールD7が終わってからG409へ行く、なんてのは、最大15分は移動に掛かると覚悟して、最小25分、と考えるのがいい。お手洗いに行く時間を考慮するなら+15分ですかね。ご飯食べる時間を考えると、1時間休憩も昼と夜に欲しいよね、とか。 まぁそんな計算度外視して、15分移動が標準、30分休憩があれば飯が喰えるぞ、とか、いいやもう遅れるのは承知でこれ買っちゃえ!2曲目からは絶対聞けるし!とか、そういう無体な計画を組んでしまうのではありますが.... お手洗いに関しては、実は、国際フォーラムと大通り挟んで向こう側のビル群のお手洗いに行くという裏技もあります。そういえば。ま、私は男なんで困らないですけど。あんまり。 閑話休題。 まぁ、正直言って、LFJは有料公演聞くだけが楽しみじゃないから、有料公演のはしごって、実はLFJの楽しみを十分に活かしてるのか?と言われると、ちょっと怯んでしまう所ではあります。まぁ、楽しみ方なんて十人十色でいいとは思うんだけれど、やっぱり屋台村でゆっくりビールでも飲みながら初夏の風に涼むというのもよいものだよなぁ.....などと思いつつ、貧乏性の私は今年も一杯一杯のスケジュール組みをしてしまうのではありました.......