LFJ:今年の公演を振り返って
続いて、今年の公演を振り返って、ですが.... まず、個人的には、普段聞かないタイプの音楽を聞けたこと。 これは、ある意味ラ・フォル・ジュルネの目指していたもの、「音楽との新しい出会い」とでも言うべきものに通ずるものがあるかな、とも思います。 なんだかんだ言って、ギターとか、あまり聞かないんですよね。カニサレスのようなフラメンコ音楽、ビジェガスのようなアコースティックのギター音楽、こういうものを聞けたのは収穫でした。一方では、アンサンブル・アンテルコンタンポランらが引っ提げて来た現代音楽。これもやっぱりそれほど自分から聞きに行く音楽ではなかった。いや、私だけでなく、例えばカスタネットおばさんことルセロ・テナ。大体ですね、このLFJが始まる前、何処の誰が、カスタネットで深夜に5千人がスタンディングオベーションで熱狂するとか思います?何の冗談だ?と思うのが正直なところじゃないでしょうか。 そういう意味では、今回は絞り込んだ割に抑えるべき所は抑えられて良かったな、とは思ってます。 もう一つは、今年はチケットの売れ行きの勢いがもう一つで、結果、割と「一見さん」的な人が多くコンサートに来られたのではなかったかな、ということ。まぁ正直演目的に楽しめたのかなという面もあったとは思うのですが、そういう意味では、初回の頃のような、「ちょっと今までではあり得ない形での音楽との出会い」のようなものが少しは蘇ったかな、という気もしました。 何処かで、誰だか分からないんですけど、「毎年の常連からすればなんでこの人が?みたいなお客さんも居て」云々といったことを書かれてるのを見掛けたのですが、それは正直言って履き違え、お門違い。元々そういう類いの人はこの音楽祭には来なくてもいい訳でして。いや、来るなと言っている訳では無いのだけれど、放っといたってクラシック聞きに来るような人じゃなくて、「何それおいしいの?」的な人にもっと音楽を聞いて欲しい、というのが目的なんじゃないかなと思うので。 個人的な話に戻れば、今年はオーソドックスなピアノ独奏とか弦楽四重奏みたいなものはあまり聞いてないんですよね。ピアノは、それでもベレゾフスキーとか児玉麻里とか聞けたけど。ベレゾフスキーは、やっぱりあれですね。何弾いても簡単に思えてしまう。「夜のガスパール」って簡単な曲だったんだな〜、とつい思ってしまった。 それと毎年恒例の小曽根真。今年も聞けて良かったです。思ったより早く終わったのが意外でしたが...初日最後の公演だし、2,3曲アンコールやっても良かったのに.... コルボ指揮のグノーのレクイエムと、ヴォックス・クラマンティスの公演は、もう既に書いたのでいいかなと。私がこれ以上言わんでもいいだろう、的な...