カリフォルニアは不動産バブルか? 「利率のみローン」でバブルを考える
以前「カルフォルニアは不動産バブルか?」という日記( 03.23、03.24)を書いたが、先週の金曜日のグリースパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「ある地域では不動産バブルの兆しがみられる」と発言したことにより、不動産にかんするバブル論が盛んに議論されている。カリフォルニアのような熱いバブル市場では、急激な不動産上昇により住民は家を買うだけの所得が追いつかない状態。ウォールストリートジャーナルによると、30年固定ローンをつかって普通の家を買うことができカリフォルニア住人はたったの18%しかいない。■ 利率のみローン(Interest Only Loan)さて、所得が追いつかないバイヤーのために、金融機関は新しいオプションを考えた。それは。。。利率のみローン(Interest Only Loan)。この「利率のみローン」は、ある一定期間(ローンの契約による)は利率のみの支払いとでよく、月々の支払い額は通常ローンより低く抑えることができるメリットがある。しかし、利率だけの支払いになるため、ローンの元金は全く減らない。オプションの契約によるが、ある一定期間を利率だけ支払い、その期間がおわれば、通常の変動金利ローンにかわっていく。つまり、ローン支払いの先延ばしが本質であろう。■ 利率のみローンの具体例短期的に売却する場合にはローンの元金を減らす必要がないのでメリットがあるが、長期的に住み続ける場合はメリットがない。それはどうのようなことか? 例)35万ドルの物件購入を「利率のみローン」で購入。最初の5年間を4.8%で利息のみの支払いで契約した場合。 最初の5年間の月々の支払い額:1,403ドル ↓ ↓ ↓ 5年後、たとえ金利が同じ(4.8%)だったとして月々の支払い額は2,008ドルに増加 もし、金利が2%と上昇したとして、月々の支払い額は2,500ドルに増加(73%増)住宅購入者にとって金利上昇リスクはとても重くのしかかってくることがよくわかる。■ 利率のみローンの利用者の増加利率のみローンで支払額を減らすローンの利用者は年々増えてきている。今年の1月から2月までの期間、カリフォルニアの住宅購入者のうち、61%が「利率のみローン」を利用した。(去年の同じ時期で47.1%、2002年ではたったの2%)。僕の疑問としては、果たしてこの61%の購入者のうち、どれだけの人が長期的に家を持ち続けているのだろうか?ただでさえ、通常ローンの支払い余裕がない人たちなのに、一定期間後に支払い額が倍になってローンを支払うだけの能力があるだろうか?それにあわせて所得が増えればいいのだが、なかなか73%も昇給する人は多くない。ローンの支払いが所得でカバーできなくなったとき、急激に不動産の需要が減ることは明らかなように思える。いったいこの不動産バブルはいつまでつづくことやら。。。