チルコロ!中南部イタリアの白ワインを中心に その1
じょうのや北浜店で毎月展開しているイタリアワインファンクラブ チルコロです。今回は、中南部イタリアの白ワインを中心にじょうのや北浜店の太田シェフのお料理を楽しみました!上の写真は、カルパッチョ・ディ・ペーシェです。イタリア風お魚の刺身ですね。実はカルパッチョは、15世紀のヴェネツィア派の画家の名前ですね。で、お魚ではなく肉のカルパッチョが、彼の表現する壮麗な「赤」をイメージさせたことから生肉を薄くスライスして綺麗に盛り付けた料理をカルパッチョと呼ぶようになるわけです。だから、本来なら魚には使ってはいけない、もし使うとしても赤身のマグロやカツオなどの料理にだけ使うことのできる名称かもしれません(^^;)でも上の絵の赤からカルパッチョという名称になったというのなら、ちょっと鮮度が悪かったかもしれないですね(^^;)その魚のカルパッチョに合わせたワインは、ファルネーゼ トレッビアーノ ダブルッツオ 白価格:1,081円(税込、送料別)マストロベラルディーノ マストロ・ビアンコ[2009]750ml(イタリア・白ワイン)価格:1,554円(税込、送料別)トレッビアーノはイタリア、フランスを中心に世界でももっとも耕作面積のある白ブドウ品種ですね。フランスではユニ・ブランと言われてブランデー用のブドウになっていますし、イタリアならワイン以外ならアチェート・バルサミコの原料もトレッビアーノです。まあ、量産のきくブドウ品種ということで、戦後に重宝されたブドウですが、その下品というか粗野な味わいの中に、実は洗練味に昇華できる要素も含まれていて、今では質量ともに中部イタリアの背骨といっても良い品種ですね。フルーティーさと緑のノート、そしてややとげとげしい酸味。モダン醸造で造られたトレッビアーノらしさが綺麗に表現されていると思います。またマルヴァジア種もわずかにブレンドされている分、酸味を優しくコーティングして、「飲みやすさ」を前面に出すことにも成功しています。ただ、この二つのブドウは後味が非常に苦い。温度が上がってくるとさらに非常に苦い・・・これが個性でありある人にとっては欠点ともなりますが、僕にとっては立派な長所です(^^)これはローマの裏側、つまりイタリアのイースト・コーストのワインですね。マストロ・ビアンコの方は、ナポリ均衡のワインですからイタリアのウェストコーストのワイン。コーダ・ディ・ヴォルペ、フィアノ、グレコ、ファランギーナの四種がブレンドされています。これも個性華やかなワインです。コーダも非常に苦みを出すブドウ品種といえます。それほどのフルーティーさも出しませんが、ここはグレコとファランギーナが補ってくれているようです。ちょっとひねたような、一見酸化臭のような感覚もあるのですがこれも僕はコーダ・ディ・ヴォルペの特徴だと思っています。鉄っぽいミネラルと相まって、酸化したりんご、すりおろしたリンゴに砂鉄を混ぜたような感じ?(@0@)相性的には、僕はトレッビアーノに軍配を上げますね。マストロの方は、果実味がトロピカル系であったり、酸化が進んだフルーツであったり、重めのフルーツなんですね。それがトレッビアーノの果実味になると青リンゴ系、柑橘系となる。レモンやオレンジ、グレープフルーツの絞り汁をオリーブオイルと乳化させて魚に絡めるカルパッチョもあるように、酸のぴちぴちしたフルーツをワインに求めるのは当たり前のことなんです。次の料理・・・夏らしい、イタリアらしい?料理でした。夏野菜の冷製パスタカペッリーニやフェデリーニと呼ばれる極細のパスタを表示よりも長い時間茹であげ、その後ギンギンに冷えた冷水に付け込んでさらに水分をよ~~~~く拭き取ってソースと絡めると冷製パスタのできあがり。このパスタと合わせたワインは・・・【6本~送料無料】グレコ ディ トゥーフォ2007ヴェゼーヴォ価格:2,520円(税込、送料別)エルコレ・ヴェレノージ ヴィッラ・アンジェラ・シャルドネ[2007]750ml(イタリア・白ワイン)価格:1,764円(税込、送料別)価格に見合った、1,2本目から3本目にいたるジャンプだと思いました。つまり、1,2本目は、実にカジュアルな素朴でシンプルなフレッシュ&フルーティーなワインなわけですが、3本目に来て、これはちょっとレベルのアップした白ワインだと感じたわけです。つまりは、感じる果実が実に美味しいこと。ミネラルやハーブなどの要素がしっかりとフルーツ系の香りのニュアンスとして出ていること。そして味わいの構成がしっかりとして、口の中でふくよかな印象を与えてくれることです。これすなわち、このワイン、グレコ・ディ・トゥーフォの持ち味ですな。一方、イタリア中部のイーストコーストにあって、やや北に位置するマルケ州のシャルドネは、、、、これはなかなかに偉大なワインだと思いました。「偉大」というのはまあかなり大げさですけど、現在のモダンワインのスタンダード的な味わいよりも、すっごくミネラル感が重厚に出ているのがこのワインの特徴ですね。ちょっと泥臭いというか、いわゆる何の変哲もない、いえ(^^;)誰にも好まれる傾向のあるシャルドネというよりは土の要素を多分に含むというか、畑のミネラル分を豊富に含んだブドウから醸造したワインという気がしました。こういう泥臭さのあるワインは、野菜系の料理とはとても良く合いますね。それもフルーツが前面に出ていないのも幸いして、パスタ料理とも比較的バランス良く調和したように感じました。続きは明日また。