カテゴリ:インド産
連日真っ黒石で失礼します。
昨日の雑記のコメント欄で教えていただいたように、ベイサナイトはBasanite、 バサルト(玄武岩/Basalt)とのつながりがうかがえる名前です。 でも、素直に玄武岩の一種……と思えなかったのは、この石があるから。 「ブラック・シバリンガム」という名前で売られていた石です。 シバリンガムと言えば、たいていは赤褐色とベージュ色のまだらのこんな石。 こちらのシバリンガムは、インドのナルマダ川でのみ採れると言われ、 このラグビーボールのような形は、天然でこの形であるとも、 磨いて作られるとも言われています。 個人的には人工的に作った形だと思いますが……。 成分についてはこれまた資料がなくてややこしく、 「砂岩」「クリストバル石と呼ばれる砂岩」 (※クリストバル石は、水晶と同じ成分がより高温で結晶した鉱物のことなので、イコール砂岩という説明は変) 『クリプトクリスタリンクォーツという石英砂岩質「めのう、 玉髄、玄武岩、酸化鉄」などで構成されている珍しい堆積岩』 という説明を見かけます。 これも、個人的には最後の石英系の砂岩説に一票。 対して、この真っ黒シバリンガムは、どうやら似ているのは形だけ。 使われている石は別物のようです。 そして、さらには昨日のマクロ「ブラック・ジャスパー」とも別の石っぽい。 磨きの関係かもしれませんが、こちらはつや消しで、 ブラック・ジャスパーとほぼ同じくらいの大きさなのに、 はっきりわかるくらい重いのです。 これこそ玄武岩じゃないだろうか。 ……素人ながらにそんなことを考えたので、 ブラックジャスパーを素直に玄武岩の仲間かもとは思えませんでした。 今回の真っ黒石はインド産・それで玄武岩かもしれないと考えると、 ちょっとイメージがふくらみます。 というのも、この石がインドのどのあたりの産かはわかりませんが、 インドにはデカン高原が……広大な玄武岩台地があるからです。 この玄武岩台地は日本の約1.5倍の面積50万km²にも及ぶ広大なもの。 通常の火山の火口ではなく、割れ目状の火口から粘度の低い、さらさら溶岩が 何百回にもわたって噴出し、広がって高原をつくったそうです。 この溶岩は地球深部から来たものともいわれ、 インドがホットスポット(地下深くのマントルからマグマが吹き上がってくる場所)の 上を通過した時に、巨大なマントルの上昇があり、 玄武岩質溶岩が大規模に噴出した言われていて、 時期は約6500万年前。もちろん、ヒマラヤ山脈よりも古いのです。 また、大規模な火山活動は地球の環境に大きな影響を及ぼします。 6500万年前と言えば、奇しくも恐竜絶滅の時期。 デカン高原ができたときの溶岩の噴出で、膨大な量の水蒸気、二酸化炭素がもたらされ、 地球の環境が激変して、恐竜をはじめとする生物の大絶滅が起き他のだという説もあると言います。 この黒い石がこの時の玄武岩だとしたら…… それが、シヴァ神ゆかりの形に成っているのは、とても意味ありげ。 シバ神は、ご存じヒンドゥー教の3最高神の一柱。 破壊を司る神であり、またの名をマハーカーラ(大いなる暗黒)、 世界を破壊するときに恐ろしい黒い姿で現れる……。 おお。 恐竜の時代を終わらせた(かもしれない)黒い岩。 あまりにイメージが重なります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/09/03 10:39:03 PM
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