万博もまもなく閉幕ですね
半年で、2200万人超の入場者。エネルギーの転換は段階が進むほどに難しくなるといいますけど、『自然の叡智』などという商業的に難しそうなテーマでよくこれだけの人を集めたと思います。米国のディズニーランドやマジックキングダムの年間入場者数を遥かにしのぐ数字です。大阪万博の頃は、海外が遠い時代で、外国のものを一同に会すればよかった。つくばでは未来のテクノロジーへの期待が、バブル経済の期待感にものってテーマとなりえた。今更、万博を?という思いは、実際に会場へ行ってみることで見事に払拭されました。テーマの消化という面ではわかりませんが、興行に関して言えば大成功といえるのではないでしょうか。万博会場の建設費が1,350億円というのも絶妙で、テーマパークなんかに比べると随分と安い感じがします(東京ディズニーシーがオリエンタル・ランドの発表で約3,350億円、香港ディズニーランドが建設関連費277億ドル(1ドル=13.49円)、このうちテーマパーク建設費141億ドル)。1,350億円あげるから、『自然の叡智』という堅いテーマで黒字になるイベントをやれと言われても普通だったら困りますね。いまどき、ちょっとしたコンサート・ホールを作るのでも100億円くらいはかかります。やはり4,600円で入場すればすべてタダというところからくる、お得さ加減、顧客満足度の高さがリピーターを生み出したことが大きかったような気がします。貴賎の区別のない平等さも万博という催しにとてもあっていると思いました。そして、地元の人から愛されたことも成功の要因かと。年配のかたがたが「ほんとありがたいことだと思う。二度と生きているあいだにはないことだと思う」と口をそろえておっしゃるのがとても印象に深く残りました。報道では、会場全体が大混雑をしているような印象を与えるものが多かったかと思いますが、出入り口や人気スポットに偏って混雑しているということであって、たかだか一日、二十数万人を動員する祭りなど大騒ぎするほどのものではないでしょう。テレビの映像でも、よく見ればグローバル・ループ(回廊)を人がゆうゆう歩いているのがわかります。地方の花火大会などの混雑のほうがよほど移動に困難でしょう。ただ、トイレの数と日陰のなさはどうなのだろうとは思いました。ミスト(霧のシャワー)は、直射日光のもとでは涼しくなかったです。普通のひさしのほうがまだましだったかも。場内の広さは随分とだだっぴろく移動に困難が感じられましたが、データの上では17.3haは、日本三名園の広さ「兼六園」11.4ha、「偕楽園」17.8ha、岡山の「後楽園」13haや「東京ディズニーランドとシー」のテーマパークエリア 49.0 ha あたりと比べてそんなに広いとはいえないかも。もう少し設計上の工夫の仕様があったかなとも・・・もっとも道を短くすると混雑がひどくなってそのあたりの難しさからきているのかもしれませんが。半年という短い期間でしたが、夏場には最高気温39度という日もあって、とにかくスタッフの人の尽力には頭が下がります。ストレスも相当なものがあったと思いますが、みなさん親切で不快な思いをせずにすみました。対して、一部の入場者のわがままぶりには少々いやな部分も・・・もう少し譲り合いの気持ちがあれば、偏った混雑も緩和され万博も楽しい思い出になるだろうにと、具体的には書きませんけど。個人的に心残りなのは、ゴミ箱近辺の写真を撮れなかったこと。普通は、100分の1規模のイベントでも、しっかり対策しないとゴミがあふれてしまうもの。これだけの人を集めながら、ゴミをあまりみかけない工夫は写真に収めてきたいと思っていたのが、メモリー・オーバーで。他のを消してでも写してくるべきだったかなと。やはりイベントにかかわるものとしては、一度は見ておきたいという気持ちはあったもののなかなか行けずにいました。『夏川りみ』さんのコンサートをきっかけに見てくることができて本当によかったです。閉幕まであと一日、最終日は名残を惜しむリピーターの人たちで混雑すると思いますが、最後まで無事に成功裡に終わってほしいですね。