ドア
「人は流れてどこどこ行くの」そんな歌詞の歌がありますね。目の前に扉があって自分に正面に向いているとき、人はそれを入り口とわかることができます。斜めになると少し難しくなり、完全に横向きでは近くにあっても気づかないことがあります。一方で、扉の存在はわかっているんだけども、重すぎて開けられなかったり、取っ手がついてなかったり、鍵がかかっていて入れないこともあると思います。人生の扉の鍵はたいがいは簡単な鍵なんだけども、それがどこにあるかわからず諦めたり、捜し求めて人を訪ね歩いたり、ときには自ら作ろうとしたりするものだと思います。あるいは、鍵は諦めて扉を破ろうとしたりすることもあるでしょうか。扉のある空間は、固定された世界ではなく、抽象画家の絵の中の世界のようにゆがんで流動的で不安定なもので、扉が自分のほうに近づいてくることもあれば、自分から近づいていくこともあるものだと思います。「人は流れてどこどこ行くの」これからこの車とともにどこかへ流れていきます。