物差し 3
人それぞれの価値観、物差しの違いにきずいた私は、いつしか、その、素晴らしさに引き込まれていきます。そのきっかけは、絵画でした。物心がつくくらいから、父に連れられて、絵画展に行っていた私は、何時しか、自分からも行くようになっていました。20世紀末の巨匠たちの作品は、私におおきな影響を与えました。その、キャンバスに描かれたものは、決して写実的でなく、作家が見たそのものが描かれていました。ゴッホの糸杉は燃えるように、モジリアーニの人物は細長く、、、。それらは、作家の感性のフィルターを通す事によってそのように表現されるのです。そのものを、そう、見させているのが、彼の、心の価値観(?)のようなもの。作品に触れる事によって、作家の、物の見方の多様性、そして、それを、表現できると言う素晴らしさに、感激するのでした。心のプリズム、とでも言うのでしょうか?おなじ、光であっても、人それぞれの感性によって、色々な色に変化していく。それが、見て取れるようで。中学の卒業文集の寄せ書きに、こう書きました。「人の心は、何にも勝る、芸術である」と。