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カテゴリ:いじめ
いえ、ね・・・ ご存知の方も、多いと思いますが・・・ 私は、最近、ネットのニュースで知ったのですが。 こちらの本が、注目かも・・・と、思っています。 (そういう私自身は、まだ、読んでいないのですが~。) 【 呼び覚まされる霊性の震災学――3.11 生と死のはざまで 】 金菱清〔ゼミナール)編 東北学院大学震災の記録プロジェクト (定価:本体2200円+税) 「震災による死」に人々はどう向き合い、感じてきたか? この春に卒業する東北学院大の社会学のゼミ生の方々が、 現地取材を重ねて、卒論を書いたそうです。 その中で・・・ 工藤優花(ゆか)さん(22)は、宮城県石巻市のタクシー運転手の方々が 体験した「幽霊現象」をテーマに選んだそうで、話題にもなっていたようです。 一部ご紹介させて頂きます。 ~~~・・・~~~ 50代の運転手さんの話。 震災後の初夏。季節外れのコート姿の女性が、石巻駅近くで乗り込み 「南浜まで」と告げた。 「あそこはほとんど更地ですが構いませんか」と尋ねると、 「私は死んだのですか」と震える声で答えた。 驚いて後部座席に目を向けると、誰も座っていなかった。 40代の運転手さんの話。 やはり8月なのに厚手のコートを着た、20代の男性客だった。 バックミラーを見ると、まっすぐ前を指さしている。 繰り返し行き先を聞くと「日和山」とひと言。 到着した時には、もう姿はなかった。 ・・・など。(朝日新聞デジタルから抜粋記載。) ~~~・・・~~~ また、 この本の「はじめに」から、抜粋記載させて頂きますねぇ~。 ***・・・*** 日本では多くの犠牲者が出て、何万人が死亡したという単なる数値の羅列だけがあり、死者そのものはタブー視されて巧妙なまでに隠されていることに気づかされる。プライバシーの問題、惨事ストレスの軽減、文化的要因など、死者をさらけ出さない理由は多数あげられるが、少なくともそれは世界共通ではなく、日本に特有かもしれない。死の世界を遮蔽することは、あたかもそれがなかったかのごとく、当たり前のように了解される。 突然災害に襲われて肉親の死に直面し、あるいは職業上ご遺体の収容や引渡しに対処する。遺体安置所で、口が開いたり、裂傷を負っていたり、砂や泥がこびりついた何百ものご遺体の中を捜し歩く家族や、たとえ運よく見つかっても、ドライアイスが不足し、警察からせいぜい自宅の風通しのよい所に置くように言われ、火葬の見通しも立たず、混乱した状況で待たされる人びとがいた。 このように、災害において身を削られるような思いで肉親を捜し出し、最期の別れの時を過ごした人たち、行方不明のまま宙吊りにされた人 たちの経験がただの数値に還元され、過ぎ去った歴史の一コマとして「復興」や「絆」の歯切れのよい掛け声の陰で葬られようとしている。 「あのとき死んだ一人ひとりが、それぞれただ一度の死を死んだことが覆い隠されてしまう。視点は自然に全体へと向かい、社会へと向かい、一人ひとりの人間を代替可能であるかのように数えだし、そして津波で死んだ人びとに対して、膨大な量の普遍的かつ抽象的な哀悼の言葉が投げかけられる」(哲学者・中島義道) 本書はタブー視される「死者」に対して、震災の当事者たちはどのように向き合わなければならなかったのかを、綿密なフィールドワークを通して明らかにする。この試みを、意識の古層にあった死が呼び覚まされる「霊性」の震災学と名づけることにしよう。未曾有の災害において艱難辛苦を嘗め尽くした経験の末に、彼ら彼女が到達したのが「霊性」であった。 (新曜社・目録ページの紹介文から抜粋記載させて頂きました。) http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1457-7.htm こちらから、「はじめに」が、もう少し長めに読めます。 ***・・・*** この本の本筋とは、ちょっと違いますが・・・ 目線って、あるでしょ~!? 例えば、被災者目線とか・・・ かつての、阪神大震災にしても、 被災者目線で、復興されていったのかなぁ~?・・・と、思ったり。 今や、復興されて、立派な街になっていることは、事実でしょ~。 狭い地域の被害だったから・・・ 被災者目線というよりは、傍からの力技で、「復興」を、遂げたのだと、 思うのですよ~。 でも、ひょっとすると、そこでは・・・ 被災者の方々の心は、置き去りになっていたかも、と、思ったりして。 言うなれば、上から目線での、復興・・・と、いうか。 東北大震災の場合は、広い地域だし、被害者数も膨大で、被害の種類も多様で・・・ 不景気も手伝って、力技の復興も、できなかったのが現状だと、思うのです。 でも、現在・・・ 本当の意味で、被災者目線というか、被災者の方々の「手」で、 復興していかなければならない状況にあるような、気がしています。 勿論、 国も国民も、その手助けをしなければ・・・と、思いますが。 その際に・・・ 被災者の方々、ひとりひとりの「死」や「不幸」に、 鈍感になっていては、いけないような気がしています。 被災地の「幽霊」の存在に、そんなメッセージを感じるのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年02月16日 11時09分21秒
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