悪夢、再び
歯が何かに触れた時に感じた、骨を貫くような痛みはなくなったが、小鼻の横を触ると痛みを感じる。ジーンと痛みが歯まで響いてくるような奇妙な感覚があった。「歯医者に行かなきゃ」と思いつつも、なぜか、重い腰が上がらない。気が向かない。こういう時は、何もしない。なんだか分からないけど、全然気が向かないから、、、。そして再び夏、8月のとある木曜日の昼下がり。天気の良い日の昼食に、研究室の同僚達と、大学の中庭でピックニックをした。バゲットをかじった瞬間、口の中に石のような物体を感じた。わざわざ見るまでもなく、また、同じ歯だった。今度もまた、何の抵抗も無く、根元からボロっと折れてしまった。しかもまたバゲット、、、。いや、それはどーでもいいんだけど。折れた後には、チタンの棒が虚しくも剥き出しになって刺さったままでいる。なんとも情けない状態だった。いや、情けないのはきちんと治療されたと信じていた歯が、バゲットごときの硬さに対して、抵抗もなくボロっと壊れてしまったことである。それは、風化して朽ちるの待っていた骨を想像させ、ショックだった。金曜日の朝一番に歯医者に電話する。、、、、、、、、、、。つながった、と思ったら流れて来るのは無機質なメッセージ。「Dr.△△は、休暇中です」また休暇中かよ!!!あぁ、このシチュエーションは体験済みである。「緊急の場合は、Dr.○○が代行して診察します。電話番号は×××、、、」代行の歯医者に電話するとすぐに、その日の11時にアポイントをもらえた。この間の経験から、代行はあくまで代行、応急処置以上はしてくれないだろうと思っていたの、「どうせまた接着剤でくっつけるだけなんだろう。で、また壊れるんだ」と、想像しただけでかなり憂鬱になりつつ、歯医者に向かった。