さあ、いよいよ診察へ
さて、前置きが長くなったけど、「とにかく診てみましょう」ということでレントゲン撮影へ。角度とか姿勢が決まるまで少し手間取ったが、あっという間に撮影終了。これはどこも同じだ。しかし、ここでビックリ。たった今撮影した映像が、即座にレントゲン室に置いてあるPCの画面に映し出された!すごーーーーーーい。こんなの初めてみたーーーーーーー。写真の位置が悪かったので、もう一度撮影。その映像がまた即座にPCに。便利ーーーーーーーー♪私がここ数年通っていた歯医者なら、ここで写真ができるまで待たされるのだ。その間にドクターは他の患者の治療に行く。技術の進歩ってすごーーーい。せっかく撮り直しまでしたのに、そのレントゲン写真をじっくり見るでもなく、診察室に戻って、普通の椅子に座るように言われた。そして、ドクターが机の上にあるPCを操作すると、同じ映像が現れる。おぉぉぉ、すごいなぁ♪この医者は当たりかも。最新技術を導入しているってことは、やる気があって、しかも経営が順調なんだろう。なーんて、感心していた。感心してちょっといい気分になっていたのも束の間、この後そこでドクターから衝撃の事実が告げられた。「神経の治療をしたみたいだけど、あんまり上手くいかなかったみたいですね。同業者としては悪く言うと反感を買うから、あまり悪いことを言いたくは無いけど、ここの部分が炎症を起こしてますね。もしも私が治療するとすれば、今入っているこのメタルの棒を取り除いて、神経の治療で詰めたものも全部取る。それで一晩様子を見て、状態によっては外科的治療で修正をしなければならないかもしれない。その後、新たにグラスファイバーの棒を入れる。その上で骨組みを作ってセラミックの被せ物を作る。でもあなたは私の患者ではないから、応急措置だけして済ませることもできます。どうしますか?人が一度処置したものを修正するのは、すごく難しいんです。何がどうなっているのかよく分からないし。だから私にとってはすごく難しい。でもどっちにしてもこのまま放って置かないほうが良いですよ」ひょえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(涙)ショックで思考が停止した。医者の前で涙ぐんでしまったのは何年ぶりだろう。最後にそんな不安で情けない思いをしたのは、日本に一時帰国して、自治体の婦人科検診を受けたら「卵巣がはれてるみたいだから精密検査しなさい」と言い渡されたのにも関わらず、時間が無くてこっちに戻ってきて、すぐに婦人科の医者を探したのに、「いっぱいなので、新しい患者は受け入れてません」って事も無げに門前払いされて、それが数軒続いて、不安なのを精一杯ガマンしながら婦人科医を探しつづけてようやく今の人のところにたどり着いて検査をしてもらえた時だろうか。どうしますかって、応急処置じゃどうせ長続きしないって分かってんだから、ちゃんと治療して欲しい。誰の患者かなんて、そんなの私には関係無い。大体において、私の今までの歯医者の治療がまずかったんなら、2度とあそこには行きたくない。「選択肢なんてあり無いじゃないですか。きちんと治療してください」息も絶え絶えにようやくそれだけ言うと、ドクターが追い討ちをかけた。