イルカの悲鳴は通る声
アネッテのレッスン今日は雨がぱらついていて、肌寒い。ドアを開けて部屋に入ると、今日寒いよね~、ヒーター付ける?と聞かれた。← ちょうどお盆の頃の話です。ずっと部屋の中にいるアネッテには寒いらしい。ここで歌うと毎回汗かくから私は必要ないけど?と答えたら笑われた。体をほぐすアネッテと背中を合わせて立ち、お互いに背中をこすり合わせる。それぞれが左右に動いたり、上下に動いたり、円を描いたり。背中の上の方を付けたり、腰を付けたり。背中合わせのままお互いに腰を付け、体重を掛けて押し合う。背中がポカポカとあったまっていた。発声練習いつものようにハミングから。そふぁみれど、を最初はnで。歯を合わせて、上下の前歯が見える状態で。どみそどそみどをnから始めて一番高い音で口を大きく開けてngにして、下りてきたらまた口を閉じてnに。nから始めて一番高い音で、uで声を出して、下りてきたらまた口を閉じてnに。音がどんどん上がっていって、一番上の音で音色が変わった。びっくりしてやめてしまった。どうしたの?のど痛かった??いや、ぜんぜん。のどにはぜんぜん力が入ってなかったけど、違う声が出たからビックリした。ああ、今の3Cだから。この辺りから一番上の音域に入って音色が変わるのね。ものすごく明るい響きで良かったわよ。そんな、3Cだなんて、サラッと恐ろしいこと言わないで欲しい↑ 高音だと意識すると怖くて出せなくなるそういえば、ミセス・ウールのレッスンでも一度3Cが出て、声が違うって驚いたんだっけ。なんというか、うまく説明できないんだけど、とても自分の声とは思えない。自分の体から離れた頭の上の方で鳴っていて、外から聞こえてくる感じ?ものすごい違和感。高音域の声って、私の耳にはイルカの悲鳴みたいに聞こえる。ちっとも美しいと思わない。イルカの悲鳴そうそう、理論的には同じよ。その発声が通る遠くまで届く声なのよあ、やっぱりイルカの悲鳴なんだ歌の練習Das Veilchen前回の終わりに言われたとおり、通しで歌うことを目指す。まずはフレーズごとに切って、確認。前回、どうしてもテキストとメロディの変化についていけずに、息も絶え絶えだったので、何度か自宅で歌い、技術的なことはともかく、とりあえず流れだけは覚えてきた。その成果か、前回のようにただ楽譜に振り回されることはなく、歌うことに集中できた。歌う前に、曲自体をきっちり頭に入れることは、やはり重要ですね。基本中の基本ですが。最初のフレーズ、"Ein Veilchen,,,"は、あなたの嫌いな、ヒステリックにフェミニンな、かわい子ちゃんな感じで歌ってみて↑ぶりぶりっと高い声で、という意味。ええええええ"gebueckt in sich"の部分は、もっと時間をとってかまわない。"unbekannt"の部分、音程が下がってきても最後まで支えを緩めないこと。"bis mich das Liebchen,,,"の部分は、少女が登場するシーンと同じようなウキウキした感じで。"Ach, aber ach!"の部分は、Aの発音に気をつける。すぐに口を横に開く癖が出る。高い響きを持たせること。上に引っ張るようなイメージで歌ったら、それがイイと言われた。"Es sank und starb"の部分は、たっぷりと時間をとって、大げさに悲劇的な感じで。そしていよいよ通しで歌った。ああもう、ボロボロですってば。うーん、悪くないんだけど。この曲、細かな部分を作業しようと思えばそりゃあいくらでもあるのよね。でもさ、とりあえずそれはいったん忘れて、技術的なことばかり考えないで、お芝居でもするように感情を表現して歌ってみて。そしてもう一度通した。アネッテに、技術的なことはとりあえず忘れて、と言われ気が楽になり、私にしてはわざとらしいくらいに悲劇のヒロインすみれちゃんの物語を歌った。出来がどうとかよりも、楽しかった。そうよ。よかったわよ。自由に歌えてた。ということで、Das Veilchenはこれで終わり。はやっ次の曲は、またしてもモーツァルト。別の作曲家にしたい?と聞かれたんだけど、モーツァルトの音楽は好きだし、今のところ何でも面白いし、大体において歌曲についての知識がまったくないし。だから、アネッテの持っているモーツァルト歌曲集から彼女が適当に選んでくれる曲を練習している。Abendempfindungこれはゆっくりしたテンポで、丁寧にきれいに歌わないといけないんだろうな、というのが第一印象。難しそう即日発送可輸入楽譜:モーツァルト:歌曲集/高声用(歌曲集)