ワインヲタ入門生のチラシの裏

さて、ここからは先日の中国料理とシラーの会のワインです。1本目は流石にシラーオンリーというのも何だということで、発泡の白です。
夏の陽4023。生産者は当ブログでもよく記事にさせて頂いている四恩醸造。2007年創業のワイナリーで、ちょっと前まで日本で一番新しいワイナリーなんて紹介されていましたが、今では後輩ワイナリーも沢山増えましたね。栽培においては農薬を控え、醸造においては酸化防止剤を抑える自然なつくりをされていますが、それはあくまで作り手ご自身が元気に毎日飲めるように、との思いからだとか。
セパージュはシャルドネ100%。4023とはぶっ飛んだヴィンテージですが、未来から来たわけではなく2011と2012を混ぜたからだそうです。価格は2400円程度ですが楽天内では取り扱いが無いようです。写真は2013ヴィンテージですが、そもそも夏の陽は楽天内では完売のようです…。

色はツヤのある麦わらといった感じ。やや濁りもあるでしょうか。
泡は、微発泡位かと思っていましたが、スパークリングワインと呼べるほどしっかりしたもの。キメはそれほどでもですが、量の多さと勢いはなかなかのものです。

香りは、リンゴやミカン、レモンピールのようなフルーツ系のニュアンスや、ハッカやショウガ、とまで行くと言いすぎかもしれませんがスパイシー系の雰囲気を感じました。また、微かに山菜ないしハーブのような要素もあったでしょうか。加えて、酵母っぽさやマジパン、軽いピスタチオやフローラルといったものも。

味わいは、最初のインパクトは果実味です。ジューシーなそれがパッと来ますがすぐさま明るい酸が旨みと共に出てきて調和を取ります。また、果実味自体のキレもいいですね。後口にかけて微かに感じる苦味も一役買っていそうです。ボディはライトですが、エキス分は感じますし、膨らみ、まろやかさとはもあります。

会では、稚鮎のパリパリ揚げと豚肉と押し豆腐の煮込みに合わせて飲みました。
稚鮎とは、鮎の苦味の部分とワインの微かな苦みや旨みがよくマッチしますし、香りの部分でもどこか共通する部分があるように感じました。加えて、稚鮎を甘辛い黒いソースで食べるのですが、このソースの甘みにワインの果実味がよくはまりました。色的には合わない組み合わせかなと思いましたが、ワインがしっかりしており全く問題なしです。
一方、色で合わせたのは煮込み。ダシの利いた白い料理なので合うだろうと思いましたが、狙い通りです。むしろ、煮込みには八角と思しきスパイスが使われているようでしたが、その香りとワインの香りがよく合いました。豚肉は、脂のあるバラ肉でしたが、前述の香りのマリアージュのおかげでよりさっぱりいただけますし、ワインの果実味と肉の脂身も合わせた濃い味わいが思いのほか行けました。発泡しているのもよかったかもしれませんね。また、ダシの旨みや塩気ともいい対比を見せてくれました。

マリアージュは思った以上にいいものになりました^^このワイン、結構中国料理に良さそうですし、他のエスニック料理とも試してみたいところ。
特徴のある香りと、しっかりした果実味のおかげかなと思います。ただ、決して重いとか濃いとかいうワインではありませんで、これからの季節良く冷やして楽しみたい1本でした。


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