ワインヲタ入門生のチラシの裏

暑い日が続きますね。しかも、湿度も高く参ってしまいます。というわけで、今回はそんな時期に美味しいスパークリングです。
ミラベル・ブリュット。生産者はシュラムスバーグ。始まりは1862年にまで遡りますが、禁酒法やフィロキセラ禍を経て、多くの人の手に渡ってきました。その後、1965年に先代夫妻が取得、荒廃していたシュラムスバーグでスパークリングを作ろうと奮闘、当初は相手にされなかったそうですが、努力が実を結び、今ではアメリカを代表するスパークリングメーカーとなりました。
カーネロス、アンダーソン・ヴァレー、ソノマ・コースト、マリン・コースタル地域で収穫されたピノ・ノワールとシャルドネを用いワインを作ります。契約農家は実に90件を超えるそうで、かなりの量を作る他、毎年25%のワインは樽発酵させ、コクを出すのに使っているそうです。
というわけで、セパージュはシャルドネ55%、ピノ・ノワール45%。価格は、写真のお店では2725円で、他よりちょっと安くなっています。

色は薄い黄色。ツヤ感は結構あり、薄いといっても割と黄色を感じる方です。
泡は細かさがあります。勢いもありますが、細かさのおかげでそこまできつくは感じません。

香りはリンゴやミカン、洋ナシ、パイナップルといったフルーティさが強く出ています。また、シャルドネの多さか樽発酵の影響か、軽くですがナッツっぽさも。また、香りの後半に掛けては蜜っぽさも見られました。もちろん、スパークリングらしい酵母やブリオッシュ系のニュアンスもあります。

味わいは、果実味のボリュームがしっかりあります。酸は明るいものが穏やかに、果実味に包まれて存在しているといったバランスで、カリフォルニアらしさを感じます。後口にかけては旨みも豊富ですし、蜜っぽい余韻も。ボディは丸く、柔らかさのあるミディアムフルです。

果実味とフルーティな香りがしっかりしているので、単独で食前酒などにもいいでしょうね。
ただ、牡蠣の炙りや鱧の炙りをつまんでみますと、炙りの香ばしさに牡蠣なら味の強さ、鱧ならまろやかな脂感と旨みに、ワインの香りや果実味がよく合いました。牡蠣には、スダチを絞ってみましたが、ワインのフルーティさとの相性も良くなります。
また、ホタテやイカ、エビといったネタのお寿司と合わせますと、ネタの甘み、シャリの甘みにワインの果実味が行けます。香りの面でも悪くないですし、エビとはどこか引き合う部分も見られました。あと、お寿司ですとやはりサーモン。脂を伴う柔らかな質感や味わいと、ワインの各要素がよくはまります。

よくできたスパークリングワインです。らしいボリューム感がありますが、暑さで疲れた体には、よく冷やしていただくと染み入る感じで心地いいです。
ディナータイムは勿論、おやつの時間に涼しい部屋でよく冷やして、スイーツなどと一緒に楽しむのもよさそうですね。


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