カテゴリ:日本ワイン
まだまだ続くサントリー登美の丘ワイナリー見学時のワイン、ここからは赤です。やはり、ヴィンテージの若い順になります。 登美・赤2009。登美の丘ワイナリーでは、フランス・ボルドーのグラン・ヴァンに追いつけ追い越せと、登美の赤をカベルネ・ソーヴィニヨン主体、樽も新樽7~8割でしっかりかけるという造りで造ってきましたが、近年、そう力むのではなく、日本の風土、登美の丘の個性を活かしたワイン造りをするという方向へ転換しました。この2009ヴィンテージは、そんな哲学の転換が行われた最初のヴィンテージになります。 セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン45%、メルロー35%、カベルネ・フラン20%。価格は、楽天内では、写真のお店が12050円で最安値のようです。 色は黒さのあるガーネット系。セパージュらしい色合いです。 香りは腐葉土や根菜、黒コショウっぽさがしっかり感じられ、そこにカシスやブルーベリー、ブラックベリーなどのフルーツ感が加わります。また、時間と共に赤ベリージャムやダークチェリーといった赤いフルーツ、さらに、メルロー的なフルーツケーキ系のニュアンスと言ったものも現われてきました。その他、茶色いスパイスやチョコ、ココアっぽさも少々。 味わいは、ミディアムフルなボディで石清水系な滑らかな口当たりが印象的でした。ただ、タンニンは強く、滑らかな印象の後にスッと豊富な渋味と共に舌触りにも存在感を見せます。果実味は繊細で、乳酸系の酸と拮抗しつつもやや後ろ、といったところでしょうか。繊細さを感じる味わいです。 食事会のお料理では、当然というべきか黒毛和牛肩バラ肉の赤ワイン煮込みとの相性は良好。肉の旨み、ソースの濃厚さにワインの目の詰まったボディ感や果実のニュアンス、それにタンニンがよく合います。ただ、ポルチーニソースとは、より熟成した他のヴィンテージほどの相性ではなかったでしょうか。 あと、実はトマトと一緒なら、という事になりますが、イカ墨のタリオリーニとの相性もそんなに悪くなかったり。イカ墨のまろやかさ、コク、そこに加わるトマトの甘みと酸味が、ワインの味わいに意外と馴染みました。 繊細さ、上品さのあるワインですが、タンニンもきっちりありますし、現段階で飲んでもよし、瓶熟させてもよし、というモダンなワインかなという印象です。 ただ、1976年のワインが、蔵出しとはいえ非常にきれいな状態だったのですが、造りが変わったこともあり、このワインが40年熟成するかは未知数かな、とは思います。
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最終更新日
2016年04月16日 23時38分03秒
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