テーマ:ワイン大好き!(30801)
カテゴリ:日本ワイン
今年でブログ開設10周年でしたが、今回で2000回目の投稿となるようです。ということで、ちょっとスペシャルなワインを。大分前に飲んだものになりますが…。 甲州きいろ香・オマージュ・ア・タカ2012。生産者はシャトー・メルシャンです。明治10年創業の大日本山梨葡萄酒会社を前身に持つ、言わずと知れた日本最古参のワイナリーです。昔から、様々な栽培・醸造技術の研究などを行ってきましたが、近年では「きいろ香」といわれる柑橘の香りを甲州ブドウから見つけたことは大きな出来事と言えるでしょう。そのきいろ香を発見されたのが、メルシャンと共に研究を行っておられた故・富永敬俊博士です。オマージュ・ア・タカとは、きいろ香発見から10年後の2012年、非常にその香りがよく出るブドウが出来たことから、富永博士へ捧げる特別キュヴェとして作られました。 楽天内では、通常サイズのボトルですと4725円ですが、今なら写真のマグナムボトルくらいが状態として近いかもしれません。マグナムですと11880円です。 色は淡い黄色。軽い輝き感はありますが、淡い方でしょう。 香りは流石に柑橘のニュアンスがよく出ています。それも、ミカン、ハッサク、柚子、カボスといった和柑橘のそれです。また、それら柑橘の皮や、柚子胡椒っぽさも少々。そこに、軽い白桃やバナナ、パッションフルーツ、それに青リンゴ(富永博士はこの印象には懐疑的だったそうですが)の様なフルーツ感が加わります。その他、白い花やグリーンハーブ(ないし微かな山椒の葉?)といった要素や、ミネラル、リースリングほどではないもののオイリーさといったようなものもあったでしょうか。 味わいはバランスの良さを感じるものです。アタックには繊細ながらも確かに果実味があり、そこに速やかにしっとり系も明るく、強さのある酸が来ます。酸の存在感は後口にまで感じられました。また、旨みもきっちり。ボディはミディアムライトくらいで、骨格やミネラル感があり、強さ・太さとシャープさが共存するような感覚でした。 まあ、このワインが和食に合わないはずはなく。 握り寿司ですと、やはり白いネタですね。イカ、エビ、タイといったものの滋味深い味わいに対し、ワインの果実味や酸がよく馴染みます。また、スダチを絞って塩で頂きますと、その相性は、香りの面での一体感が強まることで旨みや果実味の噛み合いもより深く、立体的なものになったように感じられました。あと、旨みや酸がしっかりしているからか、ブリと合わせますと、脂から旨みをグッと引き出しつつ、後口はさっぱりさせてくれるような相性に。 では焼きならどうかという事で、ブリカマを塩焼きにしてみましたが、これも中々悪く無く、身の旨み、脂に対しワインの酸や旨みが合いますし、スダチを絞ればやっぱり香りの相性も良くなります。また、焼いたことでの食感がワインの強さのある質感に馴染む感じも。 その他、フライドチキン+柑橘(ここでもスダチでしたが、他のものでもいいとは思います)とも行けましたし、鶏肉にもよく合いそうです。 このワイン、実は何度か飲んでいるのですが、リリースされて直ぐは相当硬質な印象でした。今回のものも、勿論ほぐれてきた印象はありますが、まだまだしっかりしたモノだったかなと。通常ボトルなら、ボチボチ飲み頃かも知れませんが、マグナムならまだまだ熟成させられるのではと思います。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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