『わが魂は輝く水なり』
※少しでも観劇前に内容を知りたくない方は、ここから先は読まないでください。冷たい雨の中、渋谷のシアターコクーンまで出かけたよ。前回は同じく蜷川×萬斎の『オイディプス王』を観て以来だから、ほぼ4年ぶりか。1階の最後列の席で心配していたけど、役者さんたちの表情までオペラグラスなしでもバッチリみてとれたのでよかった。レーシックで視力回復したおかげもあるだろう。木曽義仲軍と平氏がたの斎藤実盛(野村萬斎)とその子・五郎(但し、亡霊。尾上菊之助)のお話。以下は気になったところや感想など。☆なんていっても、いい画なのだああああ!!!!!チケットとる前に↑のポスターの画像をみて、観に行く決断をしたのだ。いやー、あまりにも美しくて。萬斎さんと尾上菊之助という、他ではめったに観られない豪華な組み合わせで、かつ、別の種類の色っぽさなのだった・・・・。豪華キャストに蜷川さん演出なので仕方ないけど、S席1万円を払う気は最初あまりなかった・・・のにこの画をみるだけでも値打ちがあると思ったのだ。買うつもりもなかったパンフも買ってしまったけど、萬斎&お菊の美しいリハーサル写真などもイパーイだったので満足♪♪☆菊之助の凄まじい色気『犬神家の一族』の佐清役から気になっていたけど、尾上菊之助のやわらかくも凄まじい色気にあてられた。かねてから私が気にいっている、萬斎さんの何ともいえない色気とはまったく違う種類なのだ。オカマっぽいわけではないけど、やさしく、やわらかく女性的というのかな。最近観た、古い『桃太郎侍』を思い出すと、お父さんの若い頃にもかなり似ているけど(激しい美形なんだなー)お父さんはかなりもっと男っぽい感じがする。☆無骨さを演じる萬斎さんパンフなどにも書かれていたけど、今回は実盛と五郎が動と静の対比になっている。萬斎さんはとてもめずらしい老け役で、しかも無骨な武将。老いた姿がこっけいな感じさえする役というのが、萬斎さんにとってはとてもチャレンジだったのではないかと思う。そして、メイクなどのせいもあるけどいつもの妖しい色気を消し去ってあったさまもお見事。☆凛々しくも妖しい巴御前物語の鍵を握るのが巴御前(秋山菜津子)。凛々しさと狂気と妖しさと・・・そして可憐さまでも兼ね備えた巴は、とっても難しい役どころ。しかも年齢不祥な感じもあり。この女優さんの演技、私的にはとっても満足。☆奥行きを感じさせる舞台透ける素材の中幕に映像を映したり、効果的に光を使いながら、山の中や海辺など、日本の自然のなかの風景をうまくうつしだしていた。舞台なのに奥行きがあるように感じられて、作品の風景が大きい感じがした。☆そして、ロビーの至近距離で・・・ロビーや客席で「え??」という方のお姿をみかけることがあるのも、舞台を観に行くちょっとした楽しみ。今日は何と、東儀秀樹さんをけっこうな至近距離で発見!!オイ王の音楽&舞もされていたし、萬斎さんとも仲良しだからなのかしらん??源平物はやはりドラマになる題材だから、歌舞伎などでも色々なお芝居がある。以前、萬斎さん御出演の『子午線の祀り』を観に行ったこともあるし。だけど、『子午線の祀り』も演劇でありながら古典の印象が強かったのに対して、今回の舞台は現代劇そのものだった。そこが蜷川風味なのだろうか?強い個性のぶつかり合いというのは、今後も色々とみてみたいもの。お菊にはあまりはまらないようにしなければ!!