カテゴリ:地震
既に建っている建物は、どれだけ安全にできているのでしょうか?
一つの目安として、その建物の建設年次を調べるとわかります。建築基準法の耐震性に関する法規は、大きく2回改正されています。 ・1971年(昭和46年)6月17日施行 ・1981年(昭和56年)6月1日施行 です。現在の耐震基準は「新耐震(しんたいしん)」と言われ、1981年からほとんど変わっていません。そして、この新耐震に適合した建物は、1995年の阪神淡路大震災でも、今回(2011年)の東日本大震災でも、その安全性が確認されています。 ですから、1981年以降にできた建物は、おおむね安全と言って良いわけです。正確には、1981年6月1日以降に確認申請を出した建物が安全ということになります。しかし、これより前にできた建物が全て危険というわけではありません。耐震診断して安全性を確認した建物であれば、一応安全なことになっています。 ですから、建物を買ったり、借りたりする際は、この辺りの事を不動産屋さんにきっちりと確認して見ると良いでしょう。 不動産屋さんの義務である「重要説明事項」として、建物の耐震性についてしっかり説明をすることになっています。 しかし、ここからが問題です。私自身、体験して驚いた事例で説明します。 これらの事がしっかり守られているのか?また、一般の売買ではどのように取り扱われているのかを確認するために、5年程前、自分が借りて住んでいたマンションの一室が売りに出されていたので、不動産屋さんに聞いてみました。ちなみに、このマンションは区の補助金をもらい耐震診断をし、基準の半分以下の耐震性しかないことはわかっていました。 「このマンションは耐震性は大丈夫ですか?(金谷)」 「1.鉄筋コンクリートなので、大丈夫ですよ(不動産屋さん)」 (即答です。普通の人ならここで、安全って思ってしまうのではないでしょうか?) 「でも、耐震診断とかしているかどうか、管理人さんに聞いてみてもらえますか・(金谷)」(食い下がってみました) 「判りました(不動産屋さん)」(ちょっと不満げでした) 後日連絡が来て 2.管理人さんに聞いたのですが、耐震診断をして大丈夫だったとのことですよ(不動産屋)」「そうですか。では、その資料を見せてもらいたいのですが、よろしいですか?(金谷)」 「判りました(不動産屋さん)」(その後、不動産屋からは返事がありませんでした。) 3.耐震診断の結果を見て安全性を確認してから、物件の購入、または賃貸契約となります。 上の1、2の不動産屋のごまかしをかわし、3まで、確認できて初めて安全性の確認ができます。はたして、一般の方がこのプロセスを踏むことができるでしょうか?心配です。 ちょっと寒気のする話です。 世の中ってこんなにいい加減なものなのかと思いました。 実は、似たような対応が、あちこちでなされているのを経験しました。 実際に、地震が来て、がれきの下敷きになってから、「あの時の不動産屋、だましたな」と思うのでしょうか? それとも、大破しないまでも、中破程度で、不良資産となって、住めない、売れないマンションのローンを払い続けるのか? いづれにしても、とんでもない話です。 (2011.6.12) 参考URL 国交省 マンションの耐震性についてのQ&Aについて かなや設計 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年06月13日 08時16分20秒
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