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子育て母さんで終わりたくなくて

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2006年09月28日
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カテゴリ:葬式こぼれ話
最後のお別れ


なんだかんだといっても、本当の本当のお別れは
火葬場です。


火葬場で生きていた姿とお別れするわけです。


私たちの住むF市はその昔、棺おけを焼く高炉への扉を閉じるのは
喪主の役目でした。


母が他界したとき、父(喪主)にそんなスイッチが押せるのか…
と思いきや、業者さんがとっととスイッチを押してくれました。
余韻にひたったり、感情的になる暇がなかったっけ。


そして、今回。


喪主の姉がスイッチを押すのか…

姉は感情的になることがない人なので、
とっととスイッチを押せるだろうな~

私は泣くだろうか…


あれこれ考えながら、迷子になりつつ火葬場へ。



霊柩車に乗った姉は、あれこれ打ち合わせを済ませてました。



さて、火葬場にて、
業者「これが最後のお別れです」
  「しっかりお別れしてください」

なんていうけど、最後に扉のところまで行くじゃないの…

そう思っていた私や夫。


夫は火葬場に着くや否や、長女の「トイレコール」に奔走。

一足先に「最後のお別れ」をした私は、トイレを済ませた娘と夫に
「最後のお別れ」を促しました。

夫はばたばた走り回って、よれよれしながら
「最後のお別れ?」と不思議に思いながらお別れしてました。



寂しいけれど、まだ最後じゃないから、
棺おけの中の父の顔を軽くのぞきました。
子供たちにも「最後だよ~」とは言いましたが、
最後のカマの扉の話をしたら酷だろうと思って、黙ってました。


業者「親族の方はお部屋を出てください」


ああ、いよいよ、父を見送るんだ…


しんみりしていたら、業者さんにエレベーターで
案内されました。


ん?


母が他界したときと、火葬場は建て変わったのか?
なぜエレベーターで移動するのか?
そういえば、棺おけ(父)はいずこ?



んん?




伯母「今から控え室だもんね」

姉「火力があがったから、焼けあがるのは早いらしいよ」
 


ん???



棺おけ(父)との別れに行くような雰囲気ではないのです。




なぜ???




伯母「あそこで『最後のお別れ』と言ったじゃない」
姉「高炉には私たちは行かないで、業者さんがしてくれるんだよ」




ええええ~!?



私はてっきり高炉の前まで付き合って、最後のお別れをするものと…



姉が済ませた打ち合わせとは、そういうことだったのですか。


姉は火葬場に着いたら、父を焼く高炉に案内されて
番号札をもらったらしく、
高炉には親族は行かないことを知っていたそうです。



エレベーターの中で、そうとは知らずに動揺する私たち。



軽く顔をのぞいたあの時が「最後のお別れ~?」

姉、伯母「だから『最後のお別れ』と言っていてじゃない」



涙、涙のお別れをするだろうと想像していた私たちは、
泣く暇もなく、一滴の涙も流すことなく
父と『お別れ』したのでした…




つづく





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最終更新日  2006年09月28日 17時27分55秒
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