今週の「神の雫」 #271「この手に今も咲く、忘れえぬ風雅なる一夜」
モノ・ポールで本間の昇進祝いをする雫達の前に現れた、美貌を誇る盲目のピアニスト桧山。彼女は過去に飲んだ、銘柄の解らない一本のワイン探しを雫達に依頼する。盲目のピアニスト 編 第1話新シリーズ開始。現時点では、1クールスパンなのか、3~4回で終わるのか見えませんが、探し出す目的のワインはブルネッロ・ディ・モンタルチーノと特定されていますし、複雑な心象風景がある訳でもなく、意外と短く終わるのではないかと思われます。ワインバー・モノ・ポールで起きた不思議な出来事、美貌の盲目ピアニストが出会った無言の紳士(?)を探す・・・ 序章としては面白いです。これが、「ソムリエール」での話なら、かなり胸躍る展開なのですが・・・「神の雫」となると、最後は無理無性にワイン心象風景によるワイン紹介に持ち込まれてしまう可能性が大と言う点で、かなり不安を覚えます。出来ることなら、無言の紳士と盲目のピアニスト、そしてその時に飲んだワインの三つどもえが織りなすドラマを期待したいです。「神の雫」で描かれるワインは、天地人が織りなすロマン溢れる酒ではなく、作者がそのワインの中に感じた物こそを重視する流れになってしまいました。つまり、今回のストーリーに私が望む物は「無言の紳士+盲目のピアニスト+ワイン」なのに対して、「無言の紳士+盲目のピアニスト+作者」になる事を恐れている訳です。次回、おそらくワイン探しを始めるのでしょうが、目的のワインを見つけても今回の問題は解決しません。問題なのは、無言の紳士が誰で、何故盲目のピアニストをモノ・ポールに呼び出し、ワインを共にしたのか・・・「神の雫」ワールドでは、ワインを探すことくらいは至極簡単な事ですので、さほどの興味は感じませんが、そのワインが、この男女2人にとってどういう存在価値があるのか・・・ その辺り綿密に描いて欲しいですね。次回は #271「静けさがくれた聖なる調べは、かの地にも花を添え」今週登場したワインは (2010/10/14現在、楽天での取扱店はありません)■ マルケザート・デッリ・アレラミーチ・ロッソ・ディ・モンタルチーノ