熱帯アフリカの有用樹種のカキノキ科
Ebenaceae カキノキ科(Diospyros属)今日は熱帯アフリカの有用樹種のカキノキ科です。カキノキ科は400~500種あり、そのうち黒色の心材を産しエベヌ(エボニー)材となるのは熱帯産の Diospyros属だけで、正確には十種類を越える事はないとされています。しかし材の生産は土着民によりなされ、体系化されていないので、誤りが多いそうです。エベヌ(エボニー)は一般的に黒色の材または黒色の縞がある材で硬く、重く、肌目精で収縮の少ない材をさす。従ってカキノキ科の Diospyros属またはマメ科の Dalbergia melanoxylon ブラックウッド(Black wood)が材の出所となる。Diospyros属の材であるというだけで赤味がかかった材や、灰色がかった材にまでエベヌの名を冠するのは問題である。カキノキ科の黒色の材にのみエベヌの名称を制限すべきである。分布 この種の分布は極めて広く、ヨーロッパ市場でのエベヌはガブン、カメルーン、ナイジェリアよりのもの、さらにはマダガスカル、モーリシャス、ザンジバルに産するものまで含まれる。 商業的に開発されているエベヌの種類は2つの群に分けられる。材の外観により均一に黒い純黒材と多少差はあるが縞のある材に分ける。後者はマカッサル形のエベヌでアジア産である。均一に黒い色のエベヌは西アフリカとマダガスカルおよびアジアに産する。木材の性質 比重は極めて大で材による変動は大きいけれど、一般に1.0を越え、気乾比重は1.00~1.22。また極めて硬い材でかつ極めて均斉な材なのです。木口、板目、柾目による変動もありません。かなり収縮は大きく、乾燥により変形する材ですが、一度乾いた材は再び吸水することは極めて困難で、非常に安定した材です。用途 黒さ、硬さ、光沢により古来小さな高価なものの製造に用いられています。柄、遊技用品、事務用品、杖など。旋削用にも用いられ、扉の手、楽器などは重要な用途の一つ。その他、細かい唐木細工品、箱など、装飾材に用いられています。参考資料:「熱帯の有用樹種」 編集:農林省熱帯農業研究センター 発行:社団法人 大日本山林会